炭酸水は体にいいの? 長所とリスクを栄養士が解説
炭酸水の潜在リスク
・長い時間をかけて歯のエナメル質に悪影響を及ぼす 「炭酸水を飲むことの最大の懸念は、歯のエナメル質の侵食です」と語るダンドレア=ラサートさん。二酸化炭素が水と反応すると、炭酸が発生する。炭酸水の多くはpHが3~4であり、柑橘類やクエン酸が加えられている場合のみ、その数値は低下する(つまりより酸性になる)。「オーラル・ヘルス・ファンデーション」によると、エナメル質はpH5.5未満のものに触れると侵食される可能性があるという。したがって、炭酸水を長期間にわたって定期的に摂取すると、フレーバー入りの場合はとくに、歯のエナメル質が侵食される可能性があります、と説明するダンドレア=ラサートさん。 しかし、歯と全体的な健康という点では、砂糖が入った炭酸飲料よりもプレーンな炭酸水のほうがはるかに優れている。ある試験管内研究では、天然炭酸水が歯に与えるダメージは、真水よりわずかに大きいものの、ソフトドリンクに比べて100分の1であることが示された。 ・胃腸が荒れることがある 「天然あるいは人工的に真水に加えられた炭酸ガスの泡によって、げっぷや腹部膨満感、胃腸の痛みが生じることがあります」と話すアンダーソン=ヘインズさん。「胃食道逆流症(GERD)や過敏性腸症候群(IBD)といった腸の健康問題に悩む人は、症状や再発の引き金になるかもしれないので、炭酸水を避けるべきでしょう」根本的な腸の問題はないのに、炭酸水を飲むとげっぷやガスが過剰に出る場合は、飲む量を減らしてみたほうがいいかも。
・腎臓結石の形成に影響する可能性がある 「腎臓病や腎臓結石のため、医学的に処方された食事療法を行っている人は、ミネラル含有量が多いことが懸念事項となる恐れがあります」と話すダンドレア=ラサートさん。「一部の炭酸水は、カルシウムをかなり多く含んでいます」さらなる研究が必要とされるいっぽうで、ある研究で、炭酸水に含まれるミネラル分が腎臓結石の形成に影響を与える可能性があることが分かった。腎臓の健康が気になる場合、炭酸水の摂取について泌尿器科医または腎臓専門医に相談するか、商品のラベルをよく読んでカルシウム含有量が許容量内であることを確認しよう。