Google、ついに「Chromeのサードパーティ Cookie を廃止するつもりはない」と発表。プライバシーサンドボックスの今後についても言及
パブリッシャーにとってプライバシーサンドボックスとは
とくにパブリッシャーは、自社のビジネスにとってこの苦境が何を意味するのか理解するのに苦労している。プライバシーサンドボックスに対する信頼は、ここ数カ月で薄れつつある。幹部らは米DIGIDAYに対し、「プライバシーサンドボックスをChromeユーザーの1%でしかテストできなかったため、実験プールが小さすぎてパフォーマンスについて明確な結論を導き出せない」と語った。その後、4月にGoogleがサードパーティCookie廃止を再び延期すると発表したとき、複数のパブリッシャーは「サンドボックスのテストにリソースを割り当てるのを完全にやめた」と述べていた。 当時、一部のメディア幹部はDIGIDAYに対し、クリテオ(Criteo)やインデックスエクスチェンジ(Index Exchange)のような大手企業に自社の在庫をより大規模なテストに使用させていると語っていたが、ことしの夏に調査結果が公表されると、自社でテストを実施するとなると、利益を搾り取る価値がないことにパブリッシャーは気づいた。 そして7月の時点で、クリテオは「パブリッシャーのプライバシーサンドボックス採用率は55%を下回っており、当分のあいだ、その状態が続くだろう」と報告した。レイテンシー(遅延時間)の問題と平均的な広告収入の損失は、報告を受けてパブリッシャーが表明したプライバシーサンドボックスに関する2つの大きな懸念事項だった。 なお、スノープス(Snopes)とTVトロープス(TV Tropes)のチーフレベニューオフィサーであるジャスティン・ウォール氏は、7月初めに「廃止のスケジュールが延期された時点で、我々はプライバシーサンドボックスのテストから完全に撤退した」と述べ、「現時点では小規模な出版社がプライベートサンドボックスに時間やお金を費やすことは持続不可能だ」と言い添えていた。 [原文:After years of uncertainty, Google says it won’t be ‘deprecating third-party cookies’ in Chrome] Kayleigh Barber and Seb Joseph(翻訳・編集:島田涼平)
編集部