Google、ついに「Chromeのサードパーティ Cookie を廃止するつもりはない」と発表。プライバシーサンドボックスの今後についても言及
広告担当幹部は安堵のため息をつけるのか
一方で、Googleは業界に変化球を投げかけるかもしれない。サードパーティCookieをめぐる一連の騒動が広告業界の幹部に何かを教えてくれたとすれば、それは予想外の事態を予想することだ。 広告主は、Googleがプライベートサンドボックスを売り込むために全力で攻めると予想できる。ChromeでサードパーティCookieを維持するという決定が、1月から3月にかけてGoogleが実施した代替手段のテストがいかにうまくいったかという発表と同時に発表されたのは偶然ではない。テストでは、有望な以下のような結果が示されていた。 規模の維持:広告主の支出はGoogleディスプレイ広告で89%回復し、ディスプレイ&ビデオ360では86%回復した。 投資収益率(ROI):1ドルあたりのコンバージョン数(CPD)は、Googleディスプレイ広告で97%、ディスプレイ&ビデオ360で95%回復した。 リマーケティングの回復:広告主の支出回復率は、Google広告では55%、ディスプレイ&ビデオ360では49%で、リマーケティングとほかの戦略を組み合わせたキャンペーンではより良い結果が得られた。 こうした調査結果から、プライバシーサンドボックス技術はサードパーティCookieなしで広告のパフォーマンスを回復するのに役立つことが示唆されていた。しかし、これらの結果は暫定的なものであり、やるべきことはいくつもある。Googleは、とくに広告業界や英国のCMAからのフィードバックが殺到していることから、このことを十分に認識している。 それでも、プライバシーサンドボックスがサードパーティのアドレス指定能力に関するGoogleの計画のすべてではないとわかれば、広告担当幹部は安堵のため息をつくだろう。4年前にChromeでサードパーティCookieを廃止する計画を発表してから現在に至るまで、Googleの戦略はプライバシー擁護者の満足と広告業界の広告パフォーマンス(および収益化)の維持とのあいだで混乱に陥っていた。