新NISA、相場がめちゃくちゃ下がっても「喜べる」秘密とは?「オルカン一択」にしない利点を元ファンドマネジャーがそっと解説
たとえば「年金だけでは生活費が足りない」ケースで考えてみると
65歳で金融資産2000万円を達成された方がいらっしゃるとします。グローバル三分法の長期AAも達成されました。年金だけでは生活費が不足しており、キャッシュフロー表では毎年100万円の赤字がでることが予想されています。 この方を例にリバランスを考えてみましょう。来年不足する100万円を資産の売却でまかないます。とはいえ、期待リターンが2%程度(いったん課税関連は無視します)はあると考えられますので、実際の持ち出しは60万円です。 株価や為替の変動で長期AAから外国株が超過、日本株が不足している場合、ネットで60万円売り越しで、外国株売り、日本株買いの入れ替えをするだけです。結果として長期AAに近づきます。こういった売買のことを「ネット売り越しのリバランス」と呼びます。 現役世代でキャッシュフロー表がプラスの方も、ある程度長期AAに近づく過程で、年に一回程度このリバランスを行ってください。皆さんはとても有利な立場にあります。それは市場の下落を喜べるからです。 株価が下がるとみんな悲しそうです。持ってる株が下がるから当然ですね。ですがあなたは嬉しいのです。なぜでしょうか? そう、あなたはまだ株が買えるからです、昨日までよりも安い値段で。 スーパーできゅうりの値段が下がればみんな喜ぶのに、株が下がるとみんな悲しみます。もうこれ以上買えないところまで株を持っていたらその通りですよね、損をした、とか、これ以上損ができないから安値でも損切しなきゃ、というメンタリティになってしまいます。 しかしみなさんは長期AAというよるべを持っています。株価が下がったら長期AAに戻るように買えばよいのです、昨日より安い値段で。 逆に上がっているときにはこっそり売却しましょう。そのあとさらに上がっても、売らなきゃよかった、とはなりません。なぜなら、もっと売るだけですから。 このように長期AAにリバランスを加えると、価格の変動に対して途端に心が静かになります。これがドキドキしない資産運用の極意です。