自衛隊のノンキャリアの父親の元で育ち、小沢一郎を「天童よしみ」と形容…立民・野田佳彦は石破自民党を破れるか
元々は「新憲法制定論者」だが
党内保守派の野田氏は元々新憲法制定論者で、地方自治の強化や自衛隊のあり方も含めて、国家のグランドデザインを議論すべきだという立場をとっていた。民主党政権下では党内基盤が脆弱な上、東日本大震災や福島第一原発事故の処理などの政治課題が優先され、改正に向けた具体的な合意形成ができる状況にはなかった。 希望の党騒動ののち無所属での活動を経て、野田氏が入党した国民民主党と合流した新立憲民主党は、政治権力が恣意的に行使されることを防ぎ、国民の権利を守る立憲主義を掲げている。現在の野田氏は「新憲法制定」については主張しないものの、憲法に関する自由な議論を妨げない「立憲主義的論憲」の立場をとる一方、自民党による改憲論は政局的すぎるとして否定的だ。
防衛・安全保障
もともと野田氏は「集団的自衛権の行使を容認する立場で、著書にもそう明記されている。集団的自衛権は保持しているけれども、憲法上、それは行使できない」という曖昧な状態で特別措置法を作って自衛隊を海外に派遣するのではなく、法的にクリアにした上で国際社会に貢献できる自衛隊を確立すべきであるという立場だ。 一方で立憲民主党は集団的自衛権の行使容認を盛り込んだ安全保障法制について「違憲部分を削除」することを過去の選挙公約に盛り込んでいる。今回の代表選挙にあたって野田氏は「すぐに何かを変えるのは現実的ではない」として安保法制の改正には慎重な立場をとっている。
原発の新増設は認めないとしているが
立憲民主党は党の綱領の中で「私たちは、地域ごとの特性を生かした再生可能エネルギーを基本とする分散型エネルギー社会を構築し、あらゆる政策資源を投入して、原子力エネルギーに依存しない原発ゼロ社会を一日も早く実現」するとしている。 一方で今後の政権構想を考えた時に連立相手になりうる国民民主党は電力会社が中心となる労働組合、電力労組の支援を受けている関係で原発の再稼働や新増設に積極的な立場をとっている。代表選挙の中で野田氏は「足元の電力の安定供給はしっかりやっていく」とし、原発の新増設は認めないとしつつ、避難計画や地元の同意を条件として再稼働については認める方針を示している。