車中泊で移住先を探す女性に密着!自然とともに生きる新たなライフスタイルを求めて【愛媛発】
環境問題との衝撃的な出会い
彼女がこう考える理由は、5年前に直面した出来事がきっかけだった。静岡・下田の海岸で、台風直後に打ち上げられたおびただしい量のゴミを目の当たりにしたのだ。 「なんかもうね、絶望。絶望とショック。なんだろう、言葉を失うって感じですね」と、声を震わせる。「なんか結構泣けてくる、すごい今でも泣けてくるぐらいひどくて」と、その時の衝撃を語る。 神原さんは「地球が頑張って、人間の出してるごみとか浄化しようとしてるけど、もう限界で無理ですって感じで、げぼって吐き出してるような感じがして」と、当時の心境を吐露する。 京都大学を卒業後、総合商社で人材育成や学校教育関係の仕事に携わってきた神原さんだが、この時に見た海がきっかけで環境問題に興味を持った。 しかし、「拾っても拾ってもゴミが減らなかったんですよ。それをやっていくうちに意味はあると思うけど、でもやっぱり減らないっていうのは根本的にやっぱりライフスタイルがおかしいんじゃないかって思いになって」と、根本的な解決の必要性を感じたという。 そして2023年、過労で体調を崩したことをきっかけに、ライフスタイルを転換する新たな拠点づくりの旅を始めたのだ。 愛媛・南予方面へ車を走らせていると、山の中にたたずむおしゃれな建物が気になり、立ち寄ることに。 立ち寄ったのは内子町立山の、山に囲まれたログハウス「ログ立山」。1日1組限定の宿泊施設だ。神原さんは「えー素敵すぎる、すごいなあ。うわーめっちゃここ素敵や」と感嘆の声を上げた。 施設のオーナー、山本企幸さんとの会話も弾む。「移住先?わしは移住してないが」という山本さんに、神原さんは「大丈夫!内子町に興味があって」と返す。「内子はええとこもある、悪いところもある」という山本さんの言葉に、「私こういう方がうれしいかも。きょう採れました。ドーンみたいな」と神原さんは笑顔で応じる。 山本さんの奥さん、陽子さんからしいたけをいただき、「いいのー?わーありがとうございます。うれしい」と喜ぶ神原さん。早速、その場で調理を始める。 シイタケを切りながら、「忙しいと、食べることが作業になっちゃうと思うんですよ。私も昔すごいそうだったなって思って」と語る。「食べるって命をいただく行為だからそこに丁寧に向き合える時間的余白とか、そういう感性があるって大事だなって自分は思うんですよね」と、食に対する思いを語る。 調理したシイタケを口に運びながら、「やばい、我ながらおいしそう」「わーい。やばい超幸せだ。うまー」と満足げな表情を見せる。