予選突破した不調の“侍短距離陣”は400mリレーで巻き返し金メダルを獲得することができるのか…“本命”米国予選落ちで混戦模様
2016年リオ五輪は予選2組をアジア記録(当時)の37秒68(予選全体2番目)でトップ通過。決勝ではアジア記録をさらに更新する37秒60で銀メダルに輝いた。 2017年ロンドン世界選手権は予選1組を38秒21(予選全体6番目)の3着で突破。決勝では4走のケンブリッジ飛鳥を藤光謙司に替えて、38秒04で銅メダルを獲得した。 2019年ドーハ世界選手権は予選2組を37秒78(予選全体3番目)の2着で通過。小池の不調を測定したデータからも判断して、土江寛裕オリンピック強化コーチは決勝当日の午後2時に開いたミーティングで多田の起用を告げている。そして、37秒43のアジア記録で2大会連続の銅メダルを確保した。 いずれも決勝では予選のタイムを上回っており、今回もタイムを上げてくるだろう。場合によっては新たなカードを切ってくる可能性もある。 予選2組は中国が37秒92で1着、カナダが同タイムで2着、イタリアが37秒95で3着。走力ではダントツV候補の米国が2・3走のバトンミスもあり、まさかの6着に沈んだ。2組4着(38秒06)のドイツと同5着(38秒08)のガーナがプラスで決勝に進出する。 日本の予選タイムは決勝に進むチームの中で最下位(8番目)だが、金メダルへの道は完全に消えたわけではない。日本チームの“最終調整能力”は高く、ライバルチームも万全の状況ではないからだ。 まず走力ではかなわない米国が予選で姿を消したのが大きい。ロンドン世界選手権1位&ドーハ世界選手権2位の英国は両大会でも活躍した主力のジェミリが200m予選を歩いてフィニッシュ。4×100mリレー予選を欠場している。五輪を連覇中のジャマイカも男子100mでは誰もファイナルに残ることができなかった。カナダはアンカーを務める絶対エースのドグラスが100m(銅メダル)を3本、200m(金メダル)を3本、4×100mリレーを1本とすでに7レースをこなしており、疲労が蓄積しているはずだ。