「密を回避」「予想と違った」コロナ禍の聖火リレー 岐阜で聞いたランナーと沿道の声
午後8時前、夜の闇に電飾が輝くスポンサー車の車列が通り過ぎた後、聖火を持った高橋さんが金華橋に姿を現した。 橋の下には高橋さんが高校時代に走った長良川河川敷を岐阜市が整備した「高橋尚子ロード」がある。高橋さんは、雨の中でも両側の沿道に手を振り、笑顔で走り切った。次の走者の角田修一さん(34)に聖火を託した後も何度も観客に手を振り、頭を下げた。 橋の付近では係員らから「並走しないでください」「間隔を空けてください」などの呼びかけがあったが、人が多く集まった場所もあったと話す観客もいた。 2歳の男児と一緒に見に来た近所に住む夫婦は「高橋尚子さんは見られなかったが、子どもが車やバスを見て喜んでいた」と笑う。 岐阜国体で高橋さんが笑顔で走る姿を高校時代に見て魅了されたという妻(25)は「雨の中、走っている人も笑顔でこちらまで元気をもらえた」とうれしそう。教員を務める夫(36)は「政府は復興五輪とか、コロナに打ち勝った証とか言っているが、(経済効果などの)お金のためにという部分が本当はあったんじゃないかと思う。でもそういうことは関係なく、純粋にコロナ禍でも一生懸命練習してきたアスリートたちが全力を出し切って、技術を競い合える大会になってもらえれば」と期待する五輪の姿を語った。