入団発表直後にドタバタ騒動?!なぜポルティモネンセへ移籍した本田圭佑にピッチに立てない問題が浮上しているのか?
代理人が交渉の過程で、こういう基本的なルールを確認していないとは考えにくいが、実際、ポルトガルリーグの公式ウェブサイトを確認すると、ポルティモネンセの所属選手のなかに本田は見当たらない。対照的に移籍期限ぎりぎりでシント=トロイデン(ベルギー)から期限付き移籍で加入した、韓国代表MFイ・スンウは「90」の背番号とともに登録されている。 再びヨーロッパの舞台で戦いたい、という思いを優先させて本田はポルティモネンセと契約した。ただ、苦しいシーズンの真っ只中にあったボタフォゴを、加入から約11ヵ月で退団した決断に対してはファン・サポーターやメディアだけでなく、ボタフォゴのOBたちからも批判が集中した。 ブラジルのシーズンは本来ならば昨年末で終了していて、2021年の幕開けとともに、本田自身も満を持してヨーロッパへ復帰する青写真を描いていたはずだ。しかし、新型コロナウイルス感染が拡大した影響を受けて2月末までずれ込んだ事態は、本田にとっては想定外だった。 「結果を出せていないという批判は受け止めます。批判されるのは当然ですし、言い訳もしません。僕自身も残念に思っています。それでも、今シーズンはとても幸せでした」 退団を表明するポルトガル語によるツイートのなかでこうつぶやいた本田だが、キャプテンを担っていたチーム内における立場と、国内最高峰の戦いとなるカンピオナート・ブラジレイロ・セリエAでボタフォゴが下位に低迷する苦境、さらには新型コロナウイルス感染が深刻化するなかで自身の送別会が開催されたことが相まって、本田には「失望」の二文字が容赦なく浴びせられた。 1年間で監督が4度も交代するなど、混乱が収まらなかったボタフォゴは年が明けてからひとつも勝てず、4試合を残してカンピオナート・ブラジレイロ・セリエBへの降格が決定している。加入時に救世主的な期待をかけられた分だけ、逆恨みに等しい感情も本田に向けられるはずだ。 もっとも、ポルティモネンセからのオファーに対しても即決はしなかった。1ヵ月あまりの時間を要した理由を入団会見で問われた本田は、他のチームからのオファーと比較していたと明かした上で、ポルティモネンセでの挑戦が自身にとって最もメリットがあったからだと説明している。 「ボタフォゴと状況が似ていて、正直、最後まで悩みました。というのも、大前提として非常に難しい挑戦になるのがわかっていたからです。ポルトガルリーグはレベルが高い。そのなかでポルティモネンセは強豪ではない。僕が入ってどこまで変えられるのか、という挑戦になるので」