入団発表直後にドタバタ騒動?!なぜポルティモネンセへ移籍した本田圭佑にピッチに立てない問題が浮上しているのか?
18チームで争われるポルトガル1部リーグをちょうど折り返した時点で、ポルティモネンセは最下位のファレンセと勝ち点わずか2ポイント差の15位と苦しい戦いを強いられている。昨シーズンも本来ならば2部へ降格する17位に終わっていたが、プロリーグライセンスがはく奪されて1部から3部へ降格したクラブが出た事態を受けて、一転して残留となった経緯があった。 本田が指摘した通り、確かにポルティモネンセは強豪クラブではない。ただ、新参者にいきなり「強くない」、さらには「僕が入ってどこまで変えられるか」と自信満々に言われても、2シーズン目を戦うDF安西幸輝(前鹿島アントラーズ)、今冬に加入したGK中村航輔(前柏レイソル)の日本代表経験者を含めて、所属している選手たちは決していい気分にはならないだろう。 本田にとってはビッグマウスを放ってあえて逃げ道をなくし、いい意味で自らにプレッシャーをかけて、結果を残していくための常とう手段なのかもしれない。入団会見ではこう語ってもいる。 「(ポルティモネンセは)すごく仲がよさそうな印象がある。でも、勝負に勝つためには、いい意味でそういう空気を壊さないといけないこともある。子どものようにわがままを言うのではなく、相手が嫌がることでも建設的に、必要とあればしっかりと言う。ボタフォゴでも求められていたことが、ここでも大事だと思っている」 相手が嫌がることの象徴が、「強豪ではない」という指摘になる。ただ、ボタフォゴで結果を残せず、その前の所属チームだったオランダのフィテッセを、シーズン途中の加入からわずか1ヵ月半ほどで退団し、このときもさまざまな批判を浴びた2019年秋以降の軌跡を見る限りは説得力を帯びない。 そうした状況下で表面化した、左足が完治したとしても今シーズンはプレーできないかもしれないというまさかの事態。現時点でポルティモネンセ側からのアナウンスはなく、今後がどのように推移するのかがまったく見通せないなかで、強気な姿勢を貫く本田の言葉だけが空しく響いている。 (文責・藤江直人/スポーツライター)