子どもの大学受験勉強をやる気にさせる方法! 親が理解すべきモチベーションの仕組みとは
受験で合格するためには、早く受験勉強を始めたほうがよいということは多くの人がわかっていることです。しかし、なかなか勉強に手をつけられない子どもが多いのも事実です。では、どうすれば勉強を早く始められるのでしょうか。大学受験を目指す子をもつ保護者さんだけでなく、小学生・中学生の子を持つ保護者の方もぜひ理解していただきたい内容です。(鈴木優志:大学受験専門AXIV ACADEMY 代表) 【新課程】2025年共通テストの時間割を見てみる
人間はどういうときに動くのか
早く勉強を始めるためには、早い時期からの勉強へのモチベーションが必要です。モチベーションとは何かを理解することが受験勉強を早く始める重要な一歩目です。 モチベーションとは生物学的にいうと、頭の中でどれくらいドーパミンが出るかです。人間は欲求を満たすために行動しています。神経伝達物質であるドーパミンが放出され、受容体がそれを受け取ることで前頭葉などを制御し、快い感情や意欲等が高まり、行動をとるかとらないかを決定します。 このドーパミンの放出を勉強に向けてあげることで、勉強へのやる気が起き、勉強を早く開始したり、継続したりできます。それでは、このドーパミンはどのように出したらよいのかを理解しましょう。そのためにまず、報酬の性質からお話しします。
3つの報酬の性質とは
人間の報酬には3種類の性質があります。心理学や脳科学では「マネタリーリワード」「インナーリワード」「ソーシャルリワード」と呼びます。この3つは何によって喜びを感じるかを分類したものです。 ・「マネタリーリワード」は経済的な報酬の快楽にあたります。より多くの給与や賞与をもらうために働く、転職をするなど ・「インナーリワード」は、学ぶことによって新しい知識を得られておもしろいと感じるといった、探求することにおいての報酬感 ・「ソーシャルリワード」は他者から認められること、勉強することで友人や周りから評価されることや、SNSで友だちに共感してもらえるなどが報酬となる 人間の報酬はこの3種の性質を持っていますが、いずれかだけを持っているということではなく、どの性質のほうが優位かにより、何が理由でドーパミンが出てやる気が出るのかが変わってきます。 例えば、政治家になるために早稲田大学の政治経済学部に入りたいと勉強を頑張る子は、なぜ政治家になりたいかで分類が変わります。政治家になって「世の中や人々の問題を解決したい」との理由であれば「インナーリワード」に近く、「裕福になれる」などの理由であれば「マネタリーリワード」に、「名誉や社会的ステータス、友人に認められたい」などの理由であれば「ソーシャルリワード」に近いことになります。