子どもの大学受験勉強をやる気にさせる方法! 親が理解すべきモチベーションの仕組みとは
3つの特徴と勉強への向かわせ方
「マネタリーリワード」が優位の人は、「500円だったらやらないが1,000円だったらやる」といったように、脳が数字(お金)に換算して、計算高くなる性質があります。大学受験でいえば、試験で点数を取ることや良い大学に合格することが目標になってしまい、試験に合格して大学に入学できると脳が目標達成とみなし、大学入学後には遊んでしまうといったこともあります。 「マネタリーリワード」優位の人を動かすためには、受験のために早く勉強を始めたほうが有利であること、受験勉強自体に将来的には相当大きな経済的見返りがあるということを伝えると勉強のスタートが早くなります。 「インナーリワード」が優位の人は勉強して理解できること自体で報酬を得ているため、大学入学後、またその後も勉強に対しての姿勢が止まらず、長く続く傾向にあります。何かを一心不乱に研究したり開発したりする方は、このインナーリワードが優位な方が多いでしょう。 「インナーリワード」優位の人は、勉強をすることは好きだけれど、時間効率や点数を取るための受験勉強が苦手なことが多い傾向にあります。しかし、受験勉強は苦手だったけれど、大学生や社会人になってから伸びる子も「インナーリワード」優位の人の特徴といえます。そのため、興味のある分野や学んでいて楽しいと思えること、その先の将来のことなどを見据えられると良い方向に働きます。 「ソーシャルリワード」が優位の人は周りよりも早く勉強を始めること自体で、周りからの承認が受けられます。さらに早めに結果を出すことで、より勉強に向かいやすくなります。また、学校は勉強がわかることで先生や友人に認められやすい環境でもあるので、「ソーシャルリワード」優位の場合は「勉強する自分」や「よくできる自分」が周りから認められる経験をすると、勉強に向かいやすいといえます。
我慢ができる子は賢い
賢さを測る指標の一つに、どれくらい直近に得られる報酬を我慢して、より大きい報酬を手に入れられるかということが挙げられます。例えば3歳の子どもがいて、机の上に飴玉をあげて「食べていいよ」というと喜んで食べるでしょう。 次に、同じ子に椅子に座ってもらい「これから30分我慢したらもっと好きなケーキをあげる」というとどうでしょうか。子どもであれば我慢できずに、30分たつ前に飴玉を食べてしまうかもしれません。しかし5歳児であれば、30分我慢してケーキをもらうことができるかもしれません。これこそが知性であり、我慢できるかどうかは知性に比例しています。 乳幼児期の育て方に我慢させるという方法がありますが、これはすなわちいつドーパミンを出すのかを教育していることになります。今我慢をすることで、将来より大きな報酬を得られるということを教育された子どもは、その後も我慢強い子になる傾向があります。 この我慢強さは受験勉強にも活かされます。高校生活は勉強以外にも楽しい誘惑がたくさんあります。ここで、良い大学に行ったほうが将来的に大きな報酬が得られることが多いと理解して我慢ができれば、受験までの間に勉強を続けることができます。 しかし、多くの子はそれを我慢することができません。これは、どういうときにドーパミンが多く出るかを教育された差であり、知性として反映されているのです。