黒川伊保子「帝王切開」「ミルク育児」を引け目に感じる必要一切なし。「生まれ変わるなら、私は同じ母から帝王切開で生まれたい!」
◆帝王切開児症候群 40年ほど前になるが、「帝王切開児症候群」ということばに出逢ったことがある。アメリカの産婦人科医の著書だったと記憶している。 いわく、帝王切開の70%が、理由がはっきりわからない。 母胎にさして問題がないのに、陣痛があっても、子宮口に頭を吸い込まれないように頑張る胎児がいる。 そして、そうして生まれた帝王切開児の多くが、シャツを頭からかぶせられるのを嫌い、大人になってもハイネックのセーターが苦手だったりする。 その様子を見るたびに、子ども自身が、産道を通ることを拒否したとしか考えられない、と。 実は私は、布団を頭からかぶると、呼吸ができないほどのパニックになる。ハイネックどころか、胸の詰まった服は一切着られない。 お産の時には、私がまったく降りてこないので、鉗子(かんし)もまっすぐかけられず、当時のお産の技術では、おなかの子をあきらめて引きずり出すか、帝王切開しかないと言われたという。 どう考えたって、私が「あんな狭い所、絶対無理」と思ったに違いない。
◆帝王切開は、負け組じゃない となると、帝王切開は私のせい、母のせいじゃない。 これはものの見方の一つだけど、当事者の私としてはかなり納得がいくし、「絶対無理」と思った既視感さえある。 そうそう、「帝王切開児は産道を通らないので、母親の腸内細菌をもらえず、腸内環境が悪い」と言われたこともある。 言っとくけど、腸内細菌は、手にだってついている。スキンシップしていたら、同じ細菌をもらえるはず。 私は、母譲りで、腸内環境で悩んだことがない。 便通に悩んだことはないし、腸内で大豆イソフラボンを女性ホルモンの代わりに機能するエクオールという物質に変える能力も高いことがわかっている。これも母譲り。 帝王切開を攻撃するあらゆる言いぶりに、帝王切開児のママたちは、どうか動じないで。 帝王切開は、負け組じゃない。
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