より効く、より副作用が少ないがんの治療を探す―研究・治験の最前線
◇治験への協力を
近年、日本では治験の遅れが問題視されています。特に、治験の遅れにより欧米で開発された新しい治療薬が使用できない状況は「ドラッグロス」と呼ばれ、適切な治療を受けられずに苦しむ患者さんが多くいます。 治験は新薬の開発において、非常に重要な役割を果たしています。治験に参加することで、未承認ではあるものの安全性に配慮した治療を受けることができ、がんの治療法の進展に貢献することができます。治験の実施には、患者さん一人ひとりの協力が欠かせません。 治験に対して不安を感じる方もいるかもしれませんが、現在は厳格な安全管理が行われており、リスクは極力抑えられています。また、治験には、ほかのがんや病気に使われる薬の転用試験もあり、これらは安全性が確認されている場合が多いため、参加しやすいものもあります。 治験は社会的にも非常に意義のある取り組みです。よりよい医療のためにも、治験にご協力いただける方が少しでも増えてほしいと切に願っています。
メディカルノート