宇宙飛行士・野口聡一さんが帰国会見(全文2)ゴルフにツアープロとレッスンプロがあるように
心の部分では何か変化があったのか
日本テレビ:ありがとうございます。 野口:ありがとうございます。 司会:ありがとうございます。それでは次の方。2巡目の方で、どうぞ。 毎日新聞:毎日新聞の池田と申します。 野口:よろしくお願いします。 毎日新聞:野口さんの個のほうの文芸誌のほうに立花隆さんの『宇宙からの帰還』に大きな影響を受けたということで追悼文を書かれていらっしゃいましたけども、ご自身の内面の変化として、1回目、2回目、3回目の宇宙を経て今どういうふうに内面が変わってきているのかということを伺いたいと思います。先ほど、フィジカルの面では10年前よりリカバーが早くなっているっていうようなお話ございましたけども、心の部分では何か変化があったのかというのを伺いたいです。お願いいたします。 野口:ありがとうございます。立花隆先生は今回戻ってきてから訃報に接して、本当に心から、もう衷心からお悔やみ申し上げたいと思っております。私が高校生のときに立花先生の『宇宙からの帰還』を読んで、この仕事に就くのを決めたっていうきっかけもありますし、宇宙飛行、1回目、2回目終えてそれぞれ長時間お話しする機会もあったので、やはり立花先生ご自身も宇宙体験、非常に希有な体験が内面にどういう変化をもたらすかっていう観点で非常にご興味を持たれていて、宇宙体験を私が自分の内面変化を言葉としてどういうふうに出してこれるのか、そういうのを引き出すのが立花先生の本当に超一流だったところでもあると思うんですけど、やはりそれを例えば外面的な、脈拍がどう変わるかとか、筋肉がどう変わるとか、骨密度がどう変わるかっていうのはもう本当に量的に出てくるんですけども、宇宙を体験することで、あるいは無重力、あるいは船外活動を体験することで、外の世界がどう見えるか、どう変わるかっていうのはもう本当に認知の世界の話になってくるので、そういう意味ではその世界っていうのは、内面から外をどのように見て、それを脳の中でどう再構築するか、それが認知のお話で、その辺りは本当に立花先生といろんなお話をして。