「妻の死を無駄にしない」殺害現場のアパートを25年間借り続ける夫 新たな“DNA捜査” 期待もハードル 未解決の主婦殺害事件 名古屋
「宙の会」の代表幹事を務めている高羽さんは、同じ愛知県で起きた未解決事件「豊明母子放火殺人事件」の情報提供を求める活動に協力していて、毎年、チラシ配りに参加している。
高羽悟さん(2024年9月): 「(未解決事件遺族は)同じ仲間だと思っていますので。僕としては手伝いにいったんだけど、そこの遺族や警察から元気もらって帰るような部分もありますから」
■「殺されたうえで夢を失わないといけないのか」
高羽さんと「宙の会」はいま、『代執行制度の実現』と『DNA捜査の法制化』を訴えている。 『代執行制度』は、民事裁判で殺人事件の被害者遺族が加害者に損害賠償を請求し、判決確定後、加害者が支払うべき賠償金を国が一旦、遺族に建て替えた上、加害者に支払いを求めていく制度だ。
実際は、加害者が損害賠償を踏み倒すケースも珍しくない。日本弁護士連合会によると、被害者側が受け取った賠償金は、裁判などで認められた額のうち、殺人事件で13.3%、強盗殺人事件では1.2%に留まっている。
高羽悟さん: 「例えば確定判決で1億という判決がでたなら、一旦、1億のお金を被害者に払えば、国が求償権を持ちますので、国が責任をもって犯人に求償する。刑務作業費から1000円でも2000円でもいい。“刑期を全うすれば償った”ではなくて、刑期を務めても毎月ひかれるて、そこで経済的に補填して、やっと償いですよということを感じてもらわないといけない」
「宙の会」の活動で高羽さんが目の当たりにしてきたのは“被害者遺族の経済的負担”だ。加害者に支払い能力がないケースも少なくないが、賠償金の支払いを通しても罪を償って欲しいと考えている。
高羽悟さん: 「遺族が前向きになれると思うんですよね、一旦でも生活費が入れば。それが何をするのも我慢する。それは“お父さんが殺されたからだよ”って。“希望の大学に行きたい”、“そんなお金はないよ”って。なんで殺されたうえで色々な夢を失わないといけないのか。その辺がおかしい」