アメリカの歴代大統領も愛した Brooks Brothersの傑作「ポロカラーシャツ」の魅力
今日、定番シャツとして不動の地位を築いた「ボタンダウンシャツ」。ボタン留めの襟が特徴的なこのシャツは、日本でも、ビジネススタイルから休日カジュアル、学校の制服と、幅広いシーンや用途で使われている。 今や数え切れないほどのボタンダウンシャツが販売されているが、その源流を辿ると、 Brooks Brothersの「ポロカラーシャツ」に行き着く。 このシャツの異名は、「アメリカ史上もっとも模倣された服」だ。その理由はいうまでもなく、デザインが優れているからにほかならない。 今回はBrooks Brothersで勤続30年以上のキャリアを持ち、現在はブランドアンバサダーを務める大平洋一さんとともに、その成り立ちからデザインまでをじっくりと見ていこう。
多くのアメリカ大統領に愛されたアメトラの殿堂
まずはブランドの歴史をおさらいしたい。 Brooks Brothersは1818年に、ニューヨークのマンハッタンで創業。アメリカ最古の衣料ブランドが持つ品質とプレステージは、“Mr. President”ことアメリカ大統領との関係が雄弁に物語る。 「歴代アメリカ大統領の46人のうち、じつに41人がBrooks Brothersを着用しました。リンカーンはスーツからコート一式を、ジョン・F・ケネディはナンバーツースーツと呼ばれる2ボタンスーツを愛用しました。ブランドには、大統領にまつわるさまざまなエピソードが残されています」 常に世界の注目を浴びるアメリカ大統領に愛され続けてきたBrooks Brothersは、まさにアメリカントラッドの殿堂と呼ぶにふさわしい。
誕生のきっかけは、ポロ競技のユニフォームから
ポロカラーシャツが誕生したのは19世紀の終わり頃だ。 「考案したのは創設者の孫にあたるジョン・ブルックスです。彼が英国でポロの試合を観戦しているとき、選手たちが着ている競技用ユニフォームに目を奪われました。そのシャツは試合中に、襟が風にあおられて邪魔にならないようボタンで留められていたのです。彼は帰国後、このアイデアをとり入れたシャツの製造を開始しました」 1896年に発売されたポロカラーシャツは、アメリカの紳士たちに喝采をもって受け入れられた。 「その頃、シャツはまだカラー(襟)とカフス(袖口)が取り外しできるものが主流でした。リネンでできていたこれらのパーツは肌触りが硬く、ゴワゴワしていました。その点、ポロカラーシャツは肌触りがしなやか。また、カラーとカフスが一体化しているため、洗濯も簡単だったのです」
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