肝臓破裂で生死をさまよったガリガリ少年が12年で激変、「心身ともに崩壊しても人生はいつからでも変えられる」
今年3月に投稿されたある青年の半生を収めた動画に反響があり、「こんな、ドン底からの起死回生が…」「短編映画をみたかのような感動」「泣ける…」など、衝撃の声が寄せられている。投稿したのは、厚い胸板と隆々とした上腕、バキバキに割れた腹筋を持つSINGOさんだ。筋肉美を競うボディ大会に出場し、パーソナルトレーナーとして働く彼は、かつて、大ケガを負ったこと、そして、体型に起因するいじめに苦しんでいたことを公表した。事故で生死をさまよい、貧弱だった少年は、いかにして激変人生を手に入れたのか。SINGOさんに話を聞いた。 【写真】ガリガリ少年の12年後…現在のSINGOさんと反響を呼んだ投稿
■心身ともに崩壊した10代 劣等感で心が圧し潰されそうだった
――今の筋肉質な身体からは想像できませんが、投稿では、10代の頃、体型によるいじめがあったことを公表されました。 「もともと細身の体型がコンプレックスでした。小・中学生の頃って、悪意なく外見をいじったりしますよね。当時は“いじめ”ではなかったけれど、痩せていることを冷やかされることで、体型に劣等感を持っていました。そんな中、高1で大けがをして、それを機に一時期、病的なくらいガリガリになってしまって。身長170cmで体重は30kg台でした。その後、体重は45kgまで戻るんですが、大学入学後に、明らかな“いじめ”を受けるようになりました」 ――まず、ケガについてお聞かせください。高校1年生のケガは、肝臓破裂で生死をさまようほどの重症だったとか… 「サッカー部の試合中にゴールキーパーと正面衝突し、キーパーの膝が腹部に強く食い込んで。息ができないほどの痛さを感じたあと、気がついたら病院のベッドの上でした。グラウンドで意識を失っていたそうです」 ――試合中の事故とはいえ、壮絶です… 「当初は、『肋骨が折れた』という診断で、迎えに来た父と退院の手続きをしていると、再び息苦しさと腹部の痛みで立ち上がれず、また意識を失って。次に意識が戻ったときは、別の大きな総合病院のICU(集中治療室)で、すでに手術が終わっていました。あとで、『肝臓破裂、肝機能は1割しか残っていない。生きているのが奇跡』と聞かされました」 ――そして、体重が30kg台に。 「入院中は食事も水分も摂れなくて点滴だけ。2週間寝たきりで筋肉もなくなり、まさにガリガリでした。その後、半年間のリハビリでケガは完治し、高校3年生のときにはサッカー部の選抜でAチームのメンバーに選ばれるまでになったんですが、体重は45kg以上増えませんでした」 ――その後、大学入学とともに体型を原因とした“いじめ”が表面化するように。 「高校を卒業後、サッカーの強い大学に進学しました。全国から上手い選手が集まって来て、部員だけで約500人。選手層も厚く、レベル分けでは下のチームに振り分けられました。それでもサッカーが上手くなりたくて練習をしていると、体が細い分、頭が大きく見えるので『ボウリング玉、ウニ頭』などと、悪意のあるからかいを受けるようになりました。こっちが避けても同じサッカー部ですから、どうしても練習時間には顔を合わせることになるし、本当に毎日が地獄でした」