アメリカの歴代大統領も愛した Brooks Brothersの傑作「ポロカラーシャツ」の魅力
100枚のポロカラーシャツを買ったアンディ・ウォーホル
時代を彩った洒落者たちにも愛された。 「アンディ・ウォーホルは広告の仕事で得た初めての報酬で、白いポロカラーシャツを100枚まとめ買いし、毎日のように着ていたといわれています。また、フィアットを一大企業グループに育て上げた実業家のジャンニ・アニエッリは、毎年、ニューヨークの店を訪れ、ダース単位でこのシャツを購入していました」 ジャンニ・アニエッリといえば、イタリアの伝説的な伊達男としても知られている。彼は襟のボタンをあえて留めずに着る“外し”のテクニックを好んだ。 ほかにも、フレッド・アステアやクラーク・ゲーブル、スコット・フィッツジェラルド、マイルス・デイヴィスといった男たちがみずからのスタイルにとり入れた。
アイビーリーグ(アメリカ北東部にある8つの名門大学の総称)に通うアイビーリーガーと呼ばれる学生たちの間で人気を博したことも、ポロカラーシャツの知名度を高めた。 学業やスポーツで忙しいアイビーリーガーたちにとっては、あれこれ着こなしを考えたり、洋服をケアしたりする時間がない。その点、このシャツは洗濯しても型崩れしにくいオックスフォード生地。加えて襟のボタンを留めれば、ノータイでも格好よく見える。彼らは卒業し、大人になっても着続け、やがてポロカラーシャツは、アメリカのエリートが身に着ける服というイメージが浸透していった。 「日本への上陸は1979年です。東京・青山にBrooks Brothers青山本店がオープンしました。この店がブランドの海外店舗第1号店です」 折しも’70年代は第2次アイビーブームが、’80年代は第3次アイビーブームが到来した時代。日本全国から、アイビーファッションに身を包んだ若者が店に押しかけた。
ディテールのひとつひとつがBrooks Brothers流
それでは世界に模倣されたデザインを見ていこう。チェックしたのは現行モデルの「スーピマコットン オックスフォード ドレスシャツ Regular Fit」だ。 「ポロカラーシャツの襟の見どころは、襟元のボタンだけではありません。襟の長さはやや長めの3・3/8インチに設定することで、Brooks Brothersの象徴ともいうべき優美なS字ロールが生まれます」 ネクタイを締めた際はもちろん、第1ボタンを外して着ても、襟元の開きがゆったりとしてバランスよく見えるよう調整されている。
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