これまで食べた中華料理は5000食以上! 酒徒さんが提案する、新しい家中華レシピ
小竹:うんうん。 酒徒:当時から食べたものをメモに書くという習慣を始めていたのですが、この間それを見返したら、「無念。本場の壁は厚い。いつかリベンジを…」みたいなことを書いていて、ちょっと笑ってしまいました。 小竹:そのリベンジはしたのですか? 酒徒:それからしばらくして中国に住むようになり、リベンジをするために4人のうちの1人も含めて、もう一度成都に行きました。同じ店に行って同じものを頼んで意気込んで食べたのですが、人は成長するもので「余裕だな。いけるな」って感じで。辛さは味覚というより痛覚なので、食べていれば慣れるんです。我々の9年間は無駄ではなかったと乾杯をした記憶があります(笑)。 小竹:あの辛みは、四川の料理全てに共通しているのですか? 酒徒:一概には言えないですが、四川の料理は比較的あの要素が多いです。他地域と比べると、山椒の痺れと唐辛子の辛さを混ぜ合わせたような味付けが多いです。 小竹:それは文化的な背景があったりもする? 酒徒:あの辺りは高温多湿なので、香辛料を食べて汗をかくと涼しくなるので、そういうこともあって受け入れられたのだろうと思います。唐辛子は長い中国の歴史でいうと、せいぜいここ数百年のもの。それでもあんなに食べるようになっているのは、地域的な天候的な特性だと思います。こういうのが面白さだなと思いますね。 小竹:中国で地域によって味が違うのは、気温が影響していることが多いのですか? 酒徒:天候・気候は1つの大きな要素ですね。その土地の人が日常的に食べて心地よくなる味付けや食材が選択されて残っていくので、山がちとか寒い暑いとかそういうものを含めてものすごく大きいです。食の興味としてフォーカスをしても、その後ろには地理や歴史が姿を表すという感じですね。 小竹:歴史でいうと、どういったところが影響されるのですか? 酒徒:あれだけ大きい国で56の民族がいて、それが入り混じっているわけですから、この時期にこの民族が移動してきて、その風習がこっちと混じったみたいなことが各地である。だから、料理を知るためには歴史の要素に結局戻っていくことになる。だからこそ、ハマッたのかもしれないですね。