これまで食べた中華料理は5000食以上! 酒徒さんが提案する、新しい家中華レシピ
酒徒:自家製ラー油とかですね。食材を全て揃えられる人はほぼいないと思うのですが、わがままで入れさせてもらいました。丸鶏をそのまま1時間煮込む料理も、こういうのがあってもいいかもみたいな形で入れてもらいました。
知らない料理がたくさんあることへの驚き
小竹:中華料理にハマったのはいつ頃からなのですか? 酒徒:小学生の頃から三国志の漫画を読んだり、人形劇を見たりしていて、中国の歴史に興味を持っていました。それで歴史を勉強しようと思って、大学1年生の夏に北京に行ったのですが、現地の料理を食べたら想像していたよりも遥かに幅も広くておいしくて。稲妻が走るような衝撃で、自分の中の歴史への興味が料理への興味にすり替わるくらいのインパクトがあったんです。 小竹:そのときは何を食べたのですか? 酒徒:いろいろと食べた中でも印象的だったのが、北京の水餃子です。日本の皮の薄い餃子とは違い、もっちりとした主食としての皮の厚さを持った水餃子で、皮がつるりとして香りが良くて、皮自体がおいしい上に餡のバリエーションもすごいんです。 小竹:日本だと1種類ですもんね。 酒徒:肉も牛、羊、豚などがあって、そこに掛け合わせる野菜も季節野菜が何個もある。それをかけ算していくので、1つのお店だけでも餡が何十種類もあるんです。そういう世界を全く想定していなくて、しかもそれを黒酢だけで食べさせる硬派さもかっこいいと思いましたね。 小竹:かっこいいですよね。 酒徒:当時、北京の水餃子は1皿単位ではなく、粉の重さ単位で注文する形でした。でも、それをよくわかっていなくて、「1斤」と書いてあるものを頼んだら、粉500グラムだった(笑)。それを餃子にするのですごい量になって、友達と途方に暮れました。でも、知っているはずの餃子がこんなにおいしいんだというのは驚きでした。 小竹:ほかにも驚きはあった? 酒徒:知らない料理がこんなにあるんだという驚きもありましたね。周りの人が食べているものを見ると、日本の中華料理屋ではまず見ないような料理がいっぱい並んでいる。それで品書きを開くと4文字くらいの漢字がバーッと並んでいて、ちょっと中国語を勉強した程度の人間ではさっぱりわからないわけです。 小竹:うんうん。 酒徒:そこでどんどん好奇心が湧き起こってきて、これはどういう意味なんだろうとか、あれはなんだろうとなり、もう全部食べてみたいと思ってしまう。それが自分の初期衝動ですね。 小竹:中国の歴史から中国の食の歴史に絞り込まれてしまった瞬間ですね(笑)。 酒徒:そうですね(笑)。とりあえず、これが全部わかるようになりたいというのが、語学を学ぶモチベーションにもなりました。