秀岳館サッカー部問題…約2時間の会見でも晴れなかった疑念と自浄能力欠如…38件の暴力行為発覚も段原監督は「知らなかった」
ミーティング内容を録音したのは部員と見られていて、その場合は段原監督との間の信頼関係がすでに存在しない証となる。コーチが暴力を振るう動画の投稿も、サッカー部や学校側ではなくネット空間へ実情を訴えた部員たちのSOSだ。 こうした状況を認めた段原監督は、テレビ出演で保身に走ったと思われても仕方のない発言に終始した点を含めて、教育者だけでなく指導者としてもふさわしくない。 自らを厳しく律しなければいけない状況であるにもかかわらず、会見では厳しい質問が重ねられるたびに「責任は私にある」や「申し訳ない」を連発し、頭を下げてなかば強引に流れをせき止めた。 約2時間の会見を終えても残ったいくつかの疑問は、そのまま秀岳館高校やサッカー部内で自浄作用が期待できない証だと言っていい。 もはや外部の有識者による第三者委員会を立ち上げて徹底調査せねばならない段階にあるが、白井教頭は「そうすると、かえって対応が遅くなるおそれもある」と否定的だった。少なくともゴールデンウィーク明けの10日に、警察による生徒へのSNS講習会を実施している状況ではない。 (文責・藤江直人/スポーツライター)