秀岳館サッカー部問題…約2時間の会見でも晴れなかった疑念と自浄能力欠如…38件の暴力行為発覚も段原監督は「知らなかった」
退職願を提出するも学校預かりになっている男性コーチは昨年9月、練習中に部員の太ももを蹴り、さらに顔面を踏みつけたと他の部員から証言されている。病院には行かなかったものの、学校内の保健室で治療を受けたケースも8件を数えた。 部員数が200人を超えるサッカー部は、段原監督を含めて15人いる指導者がカテゴリーごとに指導していた。練習や試合の場所も別々の場合が少なくなく、段原監督へ報告されないケースもある。それでも「知らなかった」と他人事のように語った段原監督は、暴行を繰り返していたコーチに「暴力行為は見たことがない」と言及した。 「長く一緒にやっていることもあって、情熱のある人物だと認識していた。短気だと思ったことは一度もない」 暴力の常態化を否定していたサッカー部内で、過去2年あまりの間に38件もの暴力行為が発覚した。そのなかには3月下旬に寮内で上級生から暴力を振るわれ、入学式前に退学した入学予定者も含まれる。当然ながら管理者としての責任も問われてくる。 しかし、進退を問われた段原監督は明言を避けた。 「目の前に山積していることについて、全力で取り組みたい。(暴力行為の)再発防止に務めたいし、今後そういった情報が早く入るように協議していきたい」 ミーティングでの音声データがネット上に流出した先月26日から、発言内容が教育者としてあまりにも不適切だという理由で、段原監督は自宅謹慎を科されている。今後も継続されるなかで、渡部教頭は正式な処分に関して「刑事処分の結果を踏まえて決めたい」と、書類送検されたコーチと同様の方針を示した。 実は2日に熊本県警八代署の署員が同校を訪れ、謝罪動画と流出した音声データに関して、任意で段原監督から事情を聴取している。 白井教頭は「詳細は警察に聞いてほしい」と語ったが、何らかの罪に問われる可能性も浮上している。 特に音声データの内容に関しては、段原監督も「話した内容の一部が切り取られたものだと考える」としながら、部員たちに好ましくない影響を与えたと認めている。 「関係している生徒に対しては、かなりのプレッシャーを与えてしまったと思う。ただ、決して脅迫したりするつもりはなかった。申し訳ない」