引退勧告を大橋会長から受けた”激闘王”八重樫東に心境直撃「決まっていると言えば決まっていますが頭の中をぐるぐる」
プロボクシングの名門、大橋ジムの大橋秀行会長が27日までに、自身のインスタグラムにて、元世界3階級制覇王者、八重樫東(37)に引退勧告を行ったことを発信した。投稿された文章は「八重樫東には引退勧告しました。本人が考えて結論を出すと思います。これからも八重樫東を宜しくお願いします。試合の時タオルを入れるタイミングを逃しましたが、今日タオルを入れました」というもの。八重樫の37歳の誕生日となる25日に、八重樫東後援会の報告会が行われたが、その際、マイクを向けられ挨拶に立った大橋会長が、インスタに書き込んだような”公開引退勧告”を行ったという。 引退勧告を受けた八重樫に今の心境をストレートに聞いてみた。 ――大橋会長のインスタの投稿がネットニュースになっています。 「はい。知っています。でも、どうですか。今は、新型コロナウイルスへの対策問題で、ジムもボクシング界も大変でそれどころではないでしょう。(現役リングから)去るか、去らないかという人間のことなんかよりも、今やっている人たちのほうが大事でしょう」 八重樫は、拡大している新型コロナウイルスの影響で3月16日に後楽園ホールで予定されていた大橋ジムの興行が中止となり、27日に大橋ジムで予定されていたWBA世界バンタム級スーパー、IBF世界同級王者、井上尚弥(26)の公開スパーリングも中止になったことを気にかけ、そんな状況の中で、自らの進退が注目を浴びていることに困惑していた。気遣いの人らしい反応だった。 ――引退勧告を受け、結論は出ましたか? 「うーん、どうですかねえ。どうなんだろう。今は、ネットニュースだけが独り歩きしてしまっているように感じます。もう(どうするかの結論は)決まっていると言えば決まっていますが、行動に移すまでには至っていない。頭の中でぐるぐる回っている感じなんです」 ーー決まっている? 「この前ジムで今の気持ちを話しましたよね。今もあのままです」 八重樫は、すでにジムワークを再開していた。昨年12月23日に横浜アリーナでIBF世界フライ級王者、モルティ・ムザラネ(37、南アフリカ)に挑戦。序盤は大善戦しながらも9回にレフェリーストップによるTKO負けを喫して、最年長王座奪取の記録を塗り替えることはできなかった。7回に右ストレートからのワンツースリーのコンビネーションブローを2度、被弾。その衝撃で左目に眼窩底骨折を負った。現在は、傷も癒え視力も戻っていて、ミット打ちなどの技術練習も交えた本格的なジムワークを再開していた。だが、その行動はイコール再起というわけではなかった。