新築物件の価格高騰で…「ワケあり物件」購入者が約2倍に 違反建築で1200万円が半額600万 “孤独死物件”でも需要あり
「私道が長い」2000万円が半額!
続いて訪れたのは、同じく千葉県松戸市の住宅街にある築50年4LDKの一軒家。 東京の中心部にアクセスしやすいエリアで、最寄り駅から徒歩10分の立地と、またもや一見すると好条件の物件だ。 大熊さんに連れられ、さっそく中に入る。 ――家の中は結構キレイですね。 大熊昭さん: そうですね、気になるところは直させていただいて。ここがリビングでこちらがキッチンになりますね。 1階は12畳の広々としたリビングと洋室が1部屋。物件の中はリフォームが済み、真新しい空間が広がっている。 キッチンもピカピカで室内は新築のような面持ちだ。 さらに2階には4.5畳と6畳の和室、広々とした収納スペースも付いている充実ぶり。 リフォーム済みの4LDKの一軒家というと、普通は高いような気もするが…。 大熊昭さん: 普通であれば2000万円を超えてくる物件になります。こちらは約1000万円ですね。 なんと相場の約半額の1000万円で販売しているというのだ。リフォーム済みの好条件物件がいったいなぜ、そこまで安くなるのだろうか。 大熊さんに聞いてみると、そのワケはまたしても家の外にあった。 大熊昭さん: こちらの物件はですね、前面の道路、私道がですね、35m以上ありますので建て替えができないといった物件となっております。 じつは建築基準法で建物に行き止まりになっている私道がある場合、公道までの長さが35m以上ある場所は再建築できない。今回の物件はこの私道が長すぎることが原因で、ワケあり物件となっているのだ。 実際に公道から家の敷地までの長さを測ってみると37m30cmあった。 物件の価格は安いものの、建て替えができないとなると使い道が限られてしまう。 それでも物件を購入する人はいるのだろうか。こういったケースについて大熊さんに傾向を尋ねてみると、意外な答えが返ってきた。 大熊昭さん: ここですと、ファミリー層。駐車場もありますし、買われるケースが結構多いです。 使い道は限られていても、今回のように条件が良い場合は住宅として人気があるそう。視点を変えてみれば、確かに家として使うことを目的とするのなら悪い条件ではない。最初から目的が定まっているのなら、格安の“ワケ”は些細な問題だ。