新築物件の価格高騰で…「ワケあり物件」購入者が約2倍に 違反建築で1200万円が半額600万 “孤独死物件”でも需要あり
破格の580万円。ワケは“10㎝”の幅
続いて訪れたのは、人口増加率が6年連続全国1位の千葉県流山市。 商業施設が立ち並ぶ流山おおたかの森駅を中心に、子育て世代に人気の街として知られている。 そんなファミリーに人気の町にもワケあり物件があるそうだ。人気エリアとなるとワケあり物件でも価格が高い可能性もあるだろう。土地の人気について、大熊さんに尋ねてみた。 ――実際ここら辺の人気ってどうなんですか? 大熊昭さん: 流山の中心部からじわじわと周りに人気が出てきているような状況ですね。 人気の出ているエリアで、格安物件になっているのはどのようなワケがあるのだろうか。おおたかの森から車で10分ほどの場所にある物件に向かってみる。 現れたのは、シンプルな2階建ての一軒家だ。中に入ると年期が入った和室が一室。和室にはキッチンが接する形で配置されている。 2階は4.5畳と3畳の和室が2部屋連なっている作りで、レトロ感を感じさせる家づくりだ。 大熊昭さん: ここはリフォームとかはしないでこのまま販売する形になると思います。 それもそのはず、この物件は築50年の3Kの物件だそうで、古い物件とあって家の至る所には老朽化も見られている。 キッチンにあるコンロの頭上を見てみると、天井が剝き出しになっていた。壁紙もずるりと剥け、天井から垂れ下がっている状態だ。 大熊昭さん: これはですね。調理とかしていた時の熱で表面材が剥がれたって形ですね。これはすぐに直ってしまうので。そこまで大きいワケといったワケじゃないですよね。 キッチンの天井や築年数の長さはどうやら格安物件の“ワケ”ではないらしい。しかも通常このエリアの場合は、この状態でも相場は1000万円を超えるという。 では、この物件の価格はいくらなのだろうか? 大熊昭さん: 580万円。半額近くお安くなっている形ですね。 相場の約半額という金額は驚きを隠せない。室内には物件が安くなる大きな理由はないそうだが、いったい何が理由でここまでの価格になるのだろうか。 案内する大熊さんに付いて行くと、なんと今回も格安の“ワケ”は外にあったーーー。 大熊昭さん: こちらの物件のワケなんですけど、ここの道路に本来であれば2m接していなければいけないんですけど…。建築基準法で2m接していないから再建築ができないといった形になります。 建築基準法において、敷地が道路に2m接していないことでも、家の建て替えができないと決まっている。 今回の物件も、この建築基準法の違反が格安になっている理由というワケだ。 スタッフが実際に物件との接道部を測ってみると、その幅は1m90cmだった。 たった10㎝足りないだけだが、建て替えはできない。使い道が限られてしまうため、ワケあり物件として扱われることになったのだ。しかし、大熊さんによれば、それでもこういった物件を買いたいという人がいるという。 ――こういった物件でも需要はある? 大熊昭さん: 需要はありますね。お値段が割と抑えられている分ですね、ご自分でリフォームして、住まわれたりとか…。