膣の締まりが悪いと感じたら?【医師監修】腟圧低下をセルフチェック!原因や膣トレ方法も紹介
膣圧の低下によるデメリット
膣圧が低下すると、女性のQOLに関わるさまざまなデメリットが生じる可能性があります。 ここでは、膣圧の低下によるデメリットを5つ紹介します。 ■お湯漏れが起こる お湯漏れとは、湯船に入ったときにお湯が膣内に流れ込み、湯船から上がるとお湯が膣から勝手に流れ出てしまう現象です。 通常であれば、膣が締まることで膣内にお湯が入るのを防げますが、膣圧が低下しているとお湯が入り込みやすくなってしまいます。 湯船から立ち上がったときにお湯が流れ出てしまうため、旅行中や銭湯などで人とお風呂に入ったときに恥ずかしい思いをしたり、入浴後に着た衣類を濡らしてしまったりすることもあるでしょう。 ■頻尿や尿漏れなどの排尿障害のリスクが上昇する 頻尿や尿漏れなどの排尿障害は、女性のQOL低下につながる大きな問題です。 腟壁がゆるんだ状態、膣圧が低下した状態になると、尿道や膀胱を支える力が弱まって頻尿や尿漏れが起こりやすくなります。 女性はもともと男性と比べて尿道が短いのが特徴です。骨盤底筋や尿道を締める尿道括約筋が女性ホルモンの影響でゆるみやすいだけでなく、妊娠や出産で骨盤底筋がダメージを受けてゆるんでしまうこともあります。 ■骨盤臓器脱のリスクが上昇する 「骨盤臓器脱」とは、何らかの原因によって子宮や膀胱、直腸などの臓器が骨盤の中から膣に下がり、膣から体外へ脱出してしまう病気です。 進行すると、股の間に何かがはさまっているような状態になり、さらに進行すると脱出した膣が下着と擦れて出血したり歩行が困難になったりなど、QOLに大きな影響を及ぼします。 骨盤臓器脱は、骨盤内の臓器を支える骨盤底筋の筋力が低下すると、起こりやすい病気です。 特に骨盤底筋の筋力が低下し始める更年期世代からは、骨盤臓器脱のリスクが高まるとされていますが、慢性的な咳や便秘の人、重いものを持つ機会が多い人や肥満ぎみの人は更年期以前でも注意が必要です。 ■性交時の満足度が低下する 膣圧が低下するということは、膣の締まりが悪くなるということです。膣の締まりが悪いと性交時に感じる刺激が弱くなってしまい、以前よりも満足度が低下する原因となります。 パートナーにとっても、物足りなさを感じる原因になる可能性もあるでしょう。 ■GSMにかかりやすくなる 「GSM」とは、「閉経関連泌尿生殖器症候群」とも呼ばれる比較的新しい婦人科疾患の概念で、閉経によって起こる女性の膣や外陰部の萎縮に伴う皮膚や粘膜の乾燥や、その結果起こるさまざまな不快な症状の総称です。 女性ホルモンが閉経に伴って急激に減少することで引き起こされます。 膣が乾燥して萎縮し、かゆみやヒリヒリした痛み、性交痛や性交時の出血、頻尿や夜間頻尿、尿漏れなどが起こりやすくなるなどの症状が現れます。 萎縮性膣炎や膀胱炎も繰り返しやすくなるなど、細菌の繁殖による病気にもかかりやすくなるため、気になる症状があるときは早めに婦人科や泌尿器科を受診しましょう。