【台湾の生理事情】アジアで初めて月経カップと吸水ショーツを作ったのは台湾!「ムーンパンツ」開発ストーリー
台湾フェムテックを進化させたのは、生理を大事にしたいという想い
――アプリケーター付きタンポンの発売から、わずか8年でさまざまな商品が誕生し、フェムテックがどんどん身近なものになったんですね。独自に著しい進化を遂げられたのは、なぜだと考えますか? フィオナさん:台湾では今もインターネット上のコミュニケーションが盛んで、絶えず、海外の新しい生理用品が話題に上がっています。それだけでなく、もっと購入しやすくしてほしいとか、アフターサービスを提供してほしいと、コミュニティが集団でメーカーに要望を出し、実現させているんです。 女性たちが自分の生理を大事にし、勇気を出して意見することで、ビジネスの世界に影響を与えている。台湾の生理用品市場が世界に誇る多様性を手に入れられたのは、女性たちの「生理期間を楽しく過ごしたい」という気持ちの賜物だと感じています。 ▶【台湾のフェムケア事情】最新アイテムから性教育の現状まで に続く ムーンパンツ共同創設者 ユアンイー 台湾初のタンポンブランド「KiraKira」創設者のヴァネッサが開催したグループインタビューに参加し、ヴァネッサと交流を深める。プロダクトデザイナーとしての経験を買われ、月経カップ「フルムーンガール」のデザインを担当。フィオナと生理用吸水ショーツブランド「GoMoond」を立ち上げ、「ムーンパンツ」のデザインを手掛ける。 ムーンパンツ共同創設者 フィオナ タンポンをテーマに修士論文を執筆。広告会社を辞めて、月経カップ「フルムーンガール」(原名FormoonsaCup)のプロジェクトマネージャーに。デザイナーであるユアンイーと、生理用吸水ショーツブランド「GoMoond」を立ち上げる。台湾のオンラインコミュニティに執筆した7万字超の研究論文が『生理を、仕事にする。台湾の生理を変えた女性起業家たち』(アジュマブックス)出版のきっかけとなる。 撮影/細谷悠美 取材・文/中西彩乃 企画・構成/木村美紀(yoi)