【台湾の生理事情】アジアで初めて月経カップと吸水ショーツを作ったのは台湾!「ムーンパンツ」開発ストーリー
ナプキンに代わる快適な生理用品を! アジア初の吸水ショーツブランドが誕生
――そうして2017年、初の台湾製月経カップ「FormoonsaCup」が完成したのですね。フェムテックの著しい成長に伴い、生理用品の利用者の割合は変化しましたか? ユアンイーさん:台湾産月経カップが誕生した2017年の統計では、ナプキン以外を利用する人の割合は4%。0.2%だった2003年と比べると、20倍に増えました。とはいえ、私たちは疑問を抱かずにはいられませんでした。アプリケーター付きタンポンや月経カップといった便利な商品があるのに、なぜ今も多くの人はナプキンを使い続けるのだろう?と。 フィオナさん:その理由を探る中で、新しい商品を試すことに抵抗感を抱く人が多いことを学びました。タンポンや月経カップは体の中に挿入するものですから、より不安に感じるのでしょう。そういった人でも手に取りやすい快適な商品を作れないだろうか?と考えていたとき、吸水ショーツの存在を知り、これだ!と直感しました。 ――お二人は2018年に、アジア初の吸水ショーツブランド「GoMoond」をローンチ。クラウドファンディングで吸水ショーツ「ムーンパンツ」の先行予約販売をすると、わずか3日で初回生産分の3,500枚が完売したとか。 ユアンイーさん:当時、吸水ショーツは世界中で6種類ほどしかなく、ほとんどが欧米のメーカーでした。すぐに全て取り寄せて使ってみたところ、どれも生地が厚くて通気性が悪かった。湿度の低い欧米ならともかく、台湾の気候では、お世辞にも快適とはいえませんでした。一方で、使いやすさはピカイチ。普段のパンツの代わりに履くだけなので、使い方を調べたり、失敗するリスクもありません。台湾の気候に合ったものを作れば、きっと多くの人に手に取ってもらえると考えました。 フィオナさん:「GoMoond」はアジア初の吸水ショーツブランドとして、国内外から大きく注目されました。日本でも新宿伊勢丹といった店舗でも販売され、高い評価を獲得。最初は1種類の販売でしたが、現在は、吸水量も色もデザインも多様なラインアップを揃えています。 1年間の売り上げは平均10万枚で、台湾の人口と比較すると、生理のある女性が5枚ずつ所有していることに。当初はナプキンユーザーがナプキンの代わりに使用するものとして作った商品ですが、パンティライナーの代わりに使ったり、タンポンや月経カップと併用する人も多く、汎用性の高さが支持につながっていると感じます。