フランク ミュラーの新たな一手は“古くて斬新”な手巻き時計です
腕時計のプロたちが魅了された1本をリコメンドする本企画。今回はライター/エディターの長谷川剛さんが「フランク ミュラー」の『グランド カーベックス 7デイズ パワーリザーブ』を選びました! 伝統的なスイス機械式時計のエッセンスを盛り込み、さらに約7日巻きの力強さも兼備した、オイシイモデルなのです。
腕時計のプロたちが魅了された1本をリコメンドする本企画。今回、ライター/エディターの長谷川剛さんが選んだのは、「フランク ミュラー」のグランド カーベックス 7デイズ パワーリザーブです。
選者:ライター/エディター 長谷川 剛
フランク ミュラーと言えば、流麗な樽型のトノウケースがアイコン。ブランド創立30周年を機に、2021年に生みだされたのがカーヴィーボディにさらに磨きを掛けたグランド カーベックスケースでした。同ブランドがこだわる独創的な三次元曲線フォルムを極限まで突き詰め、どこから見ても滑らかなフォルムがポイント。さらに、インナーカーベックスなる個別パーツを組み込んでおり、立体感と奥行き感を放つところも見逃せません。 そして今季は、その美麗ケースに新造ムーブメントを組み込んだ非常に興味深いモデルが登場しました。グランド カーベックス 7デイズ パワーリザーブは、一見シンプルな3針モデル。もちろん先述の究極的湾曲ケースを採用しており、他の時計にはない滑らかなエレガンスを放ちます。
このモデルで大きなポイントとなるのが、搭載されるムーブメントの手巻き式Cal.1702。写真を見てスモールセコンドであることに「お!?」っと引っ掛かったアナタは相当のスキ者。そう、昨今の時計秒針は文字盤中央に据えるセンターセコンドが実用上からも定石です。しかしこのcal.1702は、古式ゆかしいスモールセコンド。 加えて、シンプルな3針式としてはある意味珍しい手巻き式です。あたかも機械式時計の古典に対しリスペクトを表すかたちで、このcal.1702は作りだされたように見えるのです。 ただし、現代時計としてのエッジもきちんと装備。香箱は先進技術の投入により実現した二階建て式のツインバレルで、モデル名のとおり約7日間という極めて長いパワーリザーブを保持します。この機能により2~3日おきに巻き上げるなどの手間が不用なだけでなく、安定したトルクにより常に正確な時間を刻み続けてくれるのです。 つまり、グランド カーベックス 7デイズ パワーリザーブは、フランク ミュラーならではのエレガンスに加え、現代技術の賜物であるスーパーロングパワーリザーブ、そして古典的味わいなど多くのエッセンスを網羅した新作というワケ。時計の持つあらゆる側面を楽しみ尽くしたいという人に、うってつけの一本と言えるでしょう。 「グランド カーベックス 7デイズ パワーリザーブ」手巻き、SSケース(53.1×36mm)、クロコダイル×ラバーストラップ。各50本限定。324万5000円(予価・12月末発売予定)/フランク ミュラー