今日天皇賞…各世代のプライドをかけた3強馬対決を制するのは?
この2馬に「待った」をかけようとするのが単勝3番人気3.7倍の3枠5番のエフフォーリアだ。無敗で今年の皐月賞を勝ち、日本ダービーはハナ差の2着で初黒星を喫したが、負けたとは言えない内容だった。 9月初旬、中京競馬場の帰り道で偶然出くわした鹿戸雄一調教師に話を聞くと「ダービーは本当に悔しかった。でも、ダービーに負けたので天皇賞に向かう決断ができました。3000メートルより2000メートルの方がいいですからね。順調に夏を過ごし心身ともに逞しくなっていますよ」と自信を口にしていた。 最終追い切りの内容は3強の中でも一番の迫力を見せた。美浦ウッドコースで意欲的な3頭併せを行い、ラスト200メートルは一気に加速し11秒3をマーク。腰回りのボリュームがアップ。日本ダービー以来の5か月ぶりのレースになるが、仕上がりに不安はない。 コンビを組む“若武者”横山武史騎手は、タイトルホルダーで菊花賞を勝ち勢いに乗る。 「この馬の強さは分かっている。調教では今までで一番良かった。レースでは、この馬の邪魔をしないように乗りたい」と話す。 3歳馬ゆえに斤量も古馬の牡馬より2キロ軽いというハンディもある。3歳世代は、ピクシーナイトがG1スプリンターズSを制覇し、ソダシ、シュネルマイスター、ソングラインが古馬相手の重賞を勝った。 鹿戸調教師と藤沢調教師は師弟関係にあり「胸を借りるつもりです」と言う。 では、世代を代表する3強馬対決を制するのは、どの馬になるのか。 過去10年のデータ面から見ると、世代別では5歳が7勝、2、3着は各3回とグランアレグリアを後押しする。コントレイルが該当する4歳は3勝、3着以内14回と最も多く馬券には絡む。一方、エフフォーリアと同じ3歳は、例が少ないこともあり、優勝馬はゼロで2、3着がそれぞれ1回。過去に勝ったのは、先ほど挙げたバブルガムフェローとシンボリクリスエスの2頭だけ。データ面では不利だ。 オッズのデータを見ると、かつて”魔物が棲む”と言われ、1988年から1999年にかけて1番人気馬が12連敗したこともあったが、東京芝2000メートルのスタート地点が移動して最初のコーナーへの入りが緩くなったことで、ここ10年では1番人気が5勝、2着2回3着1回と安定した成績を残している。 枠の特性としては、一般的に内枠が有利とされるが、4枠が過去10年で4勝。一方の3枠と8枠は連対がなく、枠のデータから見ると、3枠のエフフォーリアには不利だ。 またこの10年の連対馬20頭中17頭(優勝馬7頭)は前2走以内にG2勝利かG1での連対実績があり、3着馬5頭もそれに該当している。特に、ここ5年は急激にレベルアップ。前走でG1かG2を3勝以上、もしくは、その年にG1を勝っている馬でないと勝利の資格がない、という狭き門となっている。