外国人がショート動画で食べ比べ――コンビニ「たまごサンド」なぜ人気? #食の現在地
「当社のこだわりは、たまごの白身のカットサイズをちょっと大きめにして食感を味わえるようにしたところ。また、パンについては2年前に発酵種を見直しました。たまごとの食べ合わせを考えて、味は主張しすぎないようにし、ふんわりしっとりの噛みごたえを重視しています。そのうえで、買いやすい価格設定も意識。いま税込み価格で300円を切ります」(川島さん) 海外にも店舗があるセブン-イレブンはかねて外国人にも知られ、人気がある。セブン-イレブンの広報担当は、外国人の間でのたまごサンド人気の理由について、次のように話す。 「訪日外国人のお客さまがたまごサンドについて発信しているSNSを拝見すると、とくにパンの柔らかさやしっとりした食感に多く言及されているようです。シンプルな仕立てのたまごサンドは、具材はもちろんのこと、パンのおいしさも味わうことができます。品質向上を長年続けてきたポイントに気づいていただけたものと考えています」
セブン-イレブンのこだわりも、食べごたえがあるようにゆでたまごのカットサイズを大きめにし、厚めのパンと組み合わせたところだという。シンプルな具材だけに、満足感のあるボリュームに設定したのもポイントだ。 ローソンの商品本部デリカ・厨房部シニアマネジャー・吉田祐子さんも、外国人の間でのたまごサンド人気について把握していたが、東京五輪というよりコロナ禍より前だった覚えがあると言う。 ローソンのたまごサンドもたまごの分量を多めにし、しっかり味わえるように工夫している。レシピは市場の動向をにらみながら年単位で見直すが、今年の3月からは、たまごの配合量を増やし、隠し味にかつおだしを加えて、うまみを増したのがポイントだ。 ローソンのたまごサンドは、3社の中で最もカロリーが低いのが特徴だ。今年6月、創業49周年を記念した「お値段をそのまま47%増量企画」として、たまごサンドを増量したキャンペーン商品を発売したところ、約1週間の販売期間の売れ行きは通常の7倍にものぼったという。 「今回のキャンペーン商品は、たまごサンドが好きな方に思う存分味わっていただくためのごほうび企画でした。ですが、SNSでは『やりすぎ!』『バグってる』など、好意的なニュアンスを込めてのコメントを多数いただきました」