外国人がショート動画で食べ比べ――コンビニ「たまごサンド」なぜ人気? #食の現在地
毎回400万回以上の動画再生
「なぜたまごサンドを食べる動画の投稿をしているかって? そりゃもちろん僕は本当に好きなんだよ。だから、食べる動画を投稿し始めた。そしたら、たまごサンドを好きな人がいっぱいいるのに気づいたわけさ」 そう語るのは、冒頭で紹介したニュージーランド出身のスパークスさん。観光客ではなく、日本に来て8年、埼玉県のフリースクールで教師をしている。プライベートでは、ソーシャルメディアでの投稿やコミュニケーションを楽しんでいるが、たまごサンドを食べる動画はマクドナルドのハンバーガーを食べる動画に次いで広く見られているという。
「たまごサンドとマクドナルド(のハンバーガー)を食べる動画は、僕の動画でも人気のツートップでね。何度も投稿しているけれど、毎回400万から500万回くらい見られている。昨年の夏はライブ配信をやっていて、ほとんど毎日食べてたよ。みんな僕が食べるのを見るのが好きなんだね」 スパークスさんは照れながら笑う。 だが、たまごサンドは日本だけの専売特許ではない。たまごサラダを挟むサンドイッチ自体は、欧米はもちろん、世界中どこにでもある一般的なものだ。他の国のサンドイッチとどこが違うのか。 「まずパンの柔らかさ。次に、(挟んでいる)たまごサラダのフレッシュさ。そのマヨネーズがポイントで、ちょっと甘く、ちょっとすっぱさがある。そのコンビネーションがいいから、おいしいのだと思う」(スパークスさん) コンビニ各社は、こうしたたまごサンド人気をどう見ているのか。
コンビニ3社、たまごサンドへのこだわりは
「外国人の間でのたまごサンド人気は、3年前の東京五輪のあたりからだと認識しています。取材で来た外国人記者がたまごサンドを食べて、そのおいしさに驚き、SNSで発信したことが発端だと聞いています」 ファミリーマートのデリカ食品部調理パン・調理麺グループの川島裕さんはそう語る。 「海外のサンドイッチはたまごやレタス、ハムなどさまざまな具材を挟んだミックスタイプが多いと聞いています。具材がたまごサラダだけというのが、外国人には珍しかったようです。また、海外のパンはフランスパンのようにパリッとした(粒子の粗い)ものがある中で、日本の食パンの柔らかさに感動したのではないかと思います」 たまごサンドは、たまごにマヨネーズや調味料とあえたものをパンに挟むというシンプルな商品。ファミリーマートではロングセラー商品で、調理パンの売り上げのなかでは常にベスト3に入る。ただし、レシピは同じままではなく、ときに大きく見直し、日頃から細かい改良を重ねているという。たとえば、マヨネーズや調味料の配合を調整してややマイルドにしたり、やや酸味を強めるなどの工夫がある。