日本に定着したハイブリッド車、世界的な再評価へ!「政策頼み」で根付かない「EVの最新事情」が見えてきた
今、自動車業界が「100年の一度の大変革期」にあるということは、誰もが一度は耳にしたことがあるでしょう。そのきっかけとなったのは2016年にドイツ・ダイムラーのディーター・ツェッチェCEO(当時)が、その変革を「CASE(ケース)」の4文字で表現したことに始まります。 「日本に定着したハイブリッド車」の詳細を写真で紹介 これは「C=Connected」「A=Autonomous」「S=Shared&Service」「E=Electric」という4つの重要キーワードの頭文字を取った造語で、クルマの使い方や在り方が変わるだけでなく、価値やサービス、産業構造までもが変化していくという考え方に基づきます。つまり、そのうちの「E」に該当する電気自動車(BEV)が走行中にCO2を含む排気ガスを出さず環境面で変化をもたらすとして、世界中で注目されているのです。 そのBEVが近年で急速に販売台数を伸ばし始めたのは2020年頃から。ハイブリッド車(HEV)が半数以上を占める日本では、BEVが広く普及していると感じにくいかもしれませんが、海外に目を向ければその状況は大きく違っているのです。
世界各国の電気自動車の普及率
では、世界のPHEV(ハイブリッド車に外部からのバッテリー充電機能を追加したクルマ)を含む電気自動車の普及率はどのぐらい進んでいるのでしょうか。EV用充電インフラを手掛ける「ENECHANGE(エネチェンジ)」が国際エネルギー機関(IEA)のデータをもとに公表した「【2024最新版】世界の電気自動車(EV)の動向」から、その動向を紐解いていきましょう。 それによると、世界の電気自動車の普及率は、新車販売台数に占める電気自動車(PHEVを含む)の比率として、2023年時点で18%となりました。特に2020年以降の伸び率が大きく、2020年4.2%、2021年9%、2022年14%、2023年18%と一貫して上昇を続けている状況にあります。 このレポートでは、世界各国の電気自動車(PHEVを含む)の2023年末での普及率も公表されています。 もっとも普及率が高い国はノルウェーで93%、次いでアイスランド71%、スウェーデン60%、フィンランド54%、デンマーク46%、ベルギー41%と北欧を中心としたヨーロッパ諸国が上位を占めており、ヨーロッパ全体で見ると21%の普及率となっているそうです。つまり、ヨーロッパでは5台に1台が電気自動車となっていることがわかります。 一方、ヨーロッパ以外での普及率が高いのは中国で38%。次いでイスラエルが19%、ニュージーランドが14%と続きます。ちなみに世界最大の自動車市場を持つアメリカは9.5%で、お隣の韓国では7.9%、日本はそれよりもさらに低い3.6%にとどまりました。