大阪府咲洲庁舎に入居していた「さきしまコスモタワーホテル」の開発業者が破産、負債約72億円
(株)さきしまコスモタワーホテル開発は債権者に破産を申し立てられていた
(株)さきしまコスモタワーホテル開発(TDB企業コード:355023962、資本金3000万円、大阪府大阪市中央区北久宝寺町4-4-15エス・ピー・アイス本町ビル3階、代表譽田喜博氏)は、2024年10月に債権者より破産を申し立てられていたが、同年12月24日に大阪地裁より破産手続き開始決定を受けた。 破産管財人には山形康郎弁護士(弁護士法人関西法律特許事務所、大阪府大阪市中央区北浜2-5-23 小寺プラザ12階、電話06-6231-3210)が選任されている。 当社は、2017年(平成29年)11月に設立。大阪府咲洲庁舎の空きスペースの活用促進と稼働率向上を目的とし、同庁舎7階から17階で開業した「さきしまコスモタワーホテル」を開発。関係会社が同ホテルの運営を行っていた。 しかし、想定以上に工事費用がかかったことに加え、家賃や光熱費などの固定費がかさんだことで、設立以降、収益性は低調に推移。金融機関からシンジケートローンで31億円超の借り入れを行っていたことで負担が重く、不採算の状態が続き、2019年末より一部の支払いに遅れが生じるなど不安定な経営状態が表面化していた。 さらに、2020年に入ってからの新型コロナウイルス感染拡大に伴い、インバウンド客を中心とした利用客からのキャンセルが相次いだうえ、国内旅行客の需要も著しく低下したことから資金が枯渇。金融機関へ返済猶予を要請することで経営の立て直しを図っていた。
26億円の賃料支払いと立ち退きを命じられていた
こうしたなか、賃料や管理費などを滞納したとして、大阪府が2020年7月に賃貸借契約を解除。同年11月には大阪府から支払いと退去を求めて提訴されていた。2024年6月5日には、大阪高裁より未払い賃料など約26億円の支払いとフロアの明け渡しを命じた判決を受けた。 さらに、同年8月には強制執行を免れるために資金を隠したとして、強制執行妨害目的財産損壊等(財産の隠匿)容疑で代表らが逮捕される事態となっていた。 ホテルは同年10月31日をもって閉館している。 負債は申請時点で約72億円。