【闘病】わかってない! 「子宮体がん」で経験した治療・副作用・後遺症の辛さ
小夏さん(仮称)は、子宮体がんで手術と抗がん剤治療を経験しました。子宮体がんは女性の子宮に発症するがんであり、2020年には全国で約1万8000人が診断されている病です。 【本人提供】治療中や発症前の写真 40代後半から発症リスクが高くなり、50代でピークを迎えます。主な初期症状は不正出血やおりものに血が混じるといったものであり、小夏さんも同様の症状が受診のきっかけとなったそうです。今日に至る経緯を詳しく聞きました。 ※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2024年5月取材。
健康が自慢のはずなのに思わぬ病気が発覚
編集部: はじめに、なぜこのインタビューを受けようと思ったのですか? 小夏さん: がんの治療は、多くの困難がついてくることを世のたくさんの人に知ってほしいと思ったからです。がんは治る病気になってきた時代ではありますが、手術・抗がん剤治療の副作用・後遺症についてはあまり知らないという人も少なくないと思います。 実際に私も手術を受ける前になって、色々な説明を受け、そのことで頭がいっぱいになって不安で心が押しつぶされそうになりました。 編集部: なるほど。そうかもしれません。 小夏さん: 抗がん剤治療は以前より副作用が少ないと言われていますが、私は吐き気としびれ、倦怠感などで何度も治療を辞めたいと思いました。 しかし、実際に体験するまでは「簡単に終わる治療」程度に思っていました。体験すると想像以上の痛みとしびれがあり、体験談を発信する必要があると強く感じました。 編集部: では、小夏さんが経験した子宮体がんについて教えていただけますか? 小夏さん: 子宮のがんには子宮体部にできる「子宮体がん」と、子宮頸部にできる「子宮頸がん」があります。どちらにできるかで治療方針も変わるのですが、私の場合は検査でも判別が難しい部分にできていました。 主な症状は不正出血で、私も不正出血とおりものの量の増加で異変に気づきました。それまではスポーツや登山をして健康的な生活を送っていると思っていたため、子宮体がんの宣告には驚きました。 編集部: 検査を受けるきっかけは何だったのですか? 小夏さん: 不正出血とおりものが増えて3か月ほど経った頃、友人と話したことをきっかけに診察を受けました。50代が近づく中で、体に異変が出ていてもおかしくはないと思い、近所の産婦人科を受診しました。 そして、エコー検査で腫瘍のようなものが見つかり、医師から「できている場所が良くない」と言われたため、がんセンターに紹介してもらいました。 編集部: がんセンターで診てもらって、どのような検査と説明を受けたのでしょうか? 小夏さん: 子宮の細胞を取る細胞診を受けたのですが、子宮体がんか子宮頸がんかの判断が難しいと言われました。「位置的には子宮頸がん」ということで、子宮頸がんとして11月末に手術を受けることになりました。 編集部: がんと告げられたときはショックだったのでは? 小夏さん: むしろ、吹っ切れた気持ちになっていたと思います。最初の産婦人科では「この場所の腫瘍は珍しく、今まであまり診てきていない。そのうち1人は1か月後、もう1人は2年後に亡くなった」と聞かされていたので、最初はショックと不安もありました。 しかし、がんセンターではっきりと病名(子宮体がん)がわかり、治療も受けられると知ってホッとしたと同時に、診察室を出るころには前向きに治療へ向かおうと切り替えられました。 それまではおりものに悩まされていたほか、落ち込んで夜は眠れず、食欲も湧かなかったので、はっきりしたことで「これで解放される!」と思えたのがその理由です。 編集部: 治療は具体的にはどのような方針だったのでしょうか? 小夏さん: まず手術で子宮・卵巣・リンパ節・腟の一部まで切除する広汎子宮全摘術を行い、採取した細胞の病理検査結果次第で、追加の抗がん剤治療が必要になるかもしれないと言われました。 実際に私の子宮体がんは悪性度であるグレードが高かったため、手術後には再発予防の目的でTC療法(パクリタキセル+カルボプラチン療法)を約5か月間、計6回行いました。