どうする?“キングカズ”…移籍したJFL鈴鹿のトラブルにJリーグが一時的に“J3昇格資格剥奪”の処分
今後は上部団体であるJFAの裁定委員会に諮られ、懲罰対象になると判断されれば鈴鹿側への処分が下される。ゆえに報告書の内容は明らかにされていないが、事態を重視したJリーグは28日に開催した月例理事会で迅速に動いた。 昨年2月に認定されていた、Jリーグ入会への第一歩となる「Jリーグ百年構想クラブ」資格を一時停止とすると決定。同資格の「停止および失格」の条件が明記された、Jリーグ百年構想クラブ規程第7条内の「Jリーグの目的に反する行為」と判断すべき、との結論に達したとリリースで説明したJリーグ側は、理事会後のオンライン会見でさらにこうつけ加えた。 「不適切な金銭の支払いなど、ガバナンス上、問題があると見られる行為が複数見つかったので、そのガバナンスに対する改善を求める意味で資格を一時停止にしました」 日本サッカー界全体を頂点にJ1リーグをすえたピラミッドに例えれば、アマチュアの最上位リーグとなるJFLは“4部”に相当する。 JFLからJリーグへ入会し、J3リーグへ昇格するためには百年構想クラブに認定された上でJ3ライセンスを取得。さらに競技面の条件、具体的にはJFLで4位以内を、なおかつ百年構想クラブ内で上位2位を満たさなければいけない。 昨シーズンの鈴鹿は、昇格3シーズン目で最高位となる4位に躍進した。しかし、百年構想クラブ内においては優勝してJ3へ昇格したいわきFC、3位ながらJ3ライセンス申請を見送ったヴェルスパ大分に次ぐ3位で昇格を逃した。 このオフに横浜FCから期限付き移籍で加入したカズは、昨夏からGMと兼任して指揮を執る実兄、三浦泰年監督の存在とともに「JFLからJ3 に昇格できるチャンスがある」と、鈴鹿の立ち位置を新天地に選んだ理由にあげた。 しかし、百年構想クラブ資格が停止された現状では、6月末が期限となっているJ3ライセンスを申請することすらかなわない。Jリーグ側は処分の解除条件として【1】ガバナンス体制の改善【2】ステークホルダーからの支援継続――を付した。特に【1】については鈴鹿側に改善する意思がある状況を受けて、一時停止処分とした経緯がある。 「次のマイルストーンとしては、遅くとも6月のJリーグ理事会までに解除条件が満たされていれば百年構想クラブ資格が復活し、J3ライセンスの申請が可能になります」 Jリーグ側はオンライン会見でこう説明した。処分がJFA裁定委員会に委ねられた影響はないとしたが、新たな事実が判明した場合は状況が変わる可能性もつけ加えた。 「JFA裁定委員会の調査で我々が知らない事実が認定され、その報告を正式に受け取ったときには、それらに対する対応をまた新たに考える必要があると思っています」