どうする?“キングカズ”…移籍したJFL鈴鹿のトラブルにJリーグが一時的に“J3昇格資格剥奪”の処分
Jリーグは2月28日に開催した理事会で、元日本代表FW三浦知良(カズ、55)が所属する日本フットボールリーグ(JFL)の鈴鹿ポイントゲッターズに対して、Jリーグ入会への前提条件となる「Jリーグ百年構想クラブ」資格を一時的に停止すると決めた。 鈴鹿は昨年12月に元執行役員とのトラブルを公表。JFL規律委員会が独自に調査を行った結果、懲罰対象になりうる行為が発覚した。報告を受けたJリーグは、不適切と考えられる金銭の支払いなど、クラブのガバナンス体制に不備があると判断しうる複数の事情が認められたとして、Jリーグ百年構想クラブ規程に照らして処分を科した。 処分には解除条件もつけられ、遅くとも6月のJリーグ理事会までにこれらが満たされていると確認されなければ、来シーズンの昇格に必要なJ3ライセンスを申請できない。カズの加入で注目を集めている鈴鹿が、13日のシーズン開幕を前にして大きな問題を抱えた。
元執行役員とのトラブル
鈴鹿を巡る問題が、シーズン開幕まで2週間を切った状況で大きく動いた。 まずは鈴鹿が所属するJFLが、外部の有識者らを含めた規律委員会が独自に進めてきた調査結果として、鈴鹿に懲罰の対象になりうる行為が発覚したと発表した。 鈴鹿は昨年12月12日に公式ウェブサイト上で、元執行役員との間でトラブルが生じていると発表した。リリース内で「対応は基本的に警察署に一任する」としたなかで、JFLとしても規律委員会を介して選手やスタッフへ聞き取り調査を行ってきた。 吉田雅一代表取締役名で記された鈴鹿のリリースでは、昨年7月下旬に元執行役員からクラブの不正行為を指摘され、2500万円の金銭要求を受けた事実が明かされた。鈴鹿側は元執行役員との関係を断ち切る選択を優先させ、全額の支払いに応じている。 しかし、リリースによれば同11月下旬になって、元執行役員からさらに5000万円の金銭と吉田代表取締役の辞任を要求され、実行されない場合には不正行為を公表すると連絡を受けたという。 その後に元執行役員は自身のツイッター上で、鈴鹿の西岡保之会長から敗退行為、すなわち八百長試合の指示があったなど、さまざまな告発を展開した。 一連の状況を受けて鈴鹿側は件(くだん)のリリースを発表。クラブ独自の調査で八百長試合を含めた不正行為の事実は認められず、元執行役員の再度の要求には応じないとしながらも、警察案件になっている状況を受けて詳細な説明を控えてきた。 しかし、JFL規律委員会が調査および審議を重ね、2月25日の夜にJFLの理事、さらに日本サッカー協会(JFA)とJリーグの間で共有された報告書には、鈴鹿において懲罰の対象になりうる行為が発覚したと綴られていた。