平峰一貴(No.12 MARELLI IMPUL Z)「3位表彰台で終われて本当よかったな。でもやっぱり淋しいな。」 | SUPER GT 2024 第5戦(最終戦) 鈴鹿サーキット【SUPER GTあの瞬間】
「あのとき、何があったの?」__ レースウィークの出来事、ドライバーに話してもらいたいと思いませんか? タフなレースを終えたドライバーに改めて話を聞く「SUPER GT あの瞬間」。2024年シーズンもレースの舞台裏に着目し、ドライバーの気持ちをコラムでお伝えします! 平峰一貴「3位表彰台で終われて本当よかったな。でもやっぱり淋しいな。」 | SUPER GT 2024 第5戦(最終戦) 鈴鹿サーキット
2022年、「カルソニックIMPUL Z」でチームに27年ぶりとなるタイトル獲得に貢献した平峰一貴選手。今シーズンは、「MARELLI IMPUL Z」として濃いブルーのカラーリングが施されたクルマで、ベルトラン・バゲット選手とともにシーズンを戦ってきた。このカラーリングでのラストレースとなった鈴鹿では、最後尾スタートからジャンプアップを披露して3位表彰台を獲得。大躍進の“舞台裏”を訊いた。
── 予選は最後尾の15番手ながら、決勝では圧巻の追い上げで3位表彰台。スタート直後から勢いがありました。
平峰一貴(以下、平峰):まずは(ベルトラン・)バゲットさんがいつものようにスタートを担当して、確か7周ぐらいだったところで、もう9番手まで追い上げてくれてました。元々、クルマはロングランのペースが良かったので、そんなに心配はしてなかったんですけど、バゲットさんが思った以上に結構早い段階で追い上げてくれたのが、大きかったかなと思います。『バケットさん、さすがだな』っていう感じでビックリしました。
── 決勝での活躍が光っただけに、逆に予選でのハプニングが残念でした。いったい何が起こったのですか? 平峰:僕はもうアタックラップ中で、最後、130Rを全開で抜けてきてシケインに来たときに、前にクルマがいるなと思って。パッシングはしてたんですけど、14号車(ENEOS X PRIME GR Supra/福住仁嶺)がいて。で、僕も270何km/hっていうスピードでシケインに対してアプローチしてたんです。向こうはもうほぼほぼ、止まる勢いだったかなと思うんですけど、かなり近づいちゃったんで(12号車の存在に)気づいて行ってくれるかなと思ったんですが、(14号車は)ちょっとうしろが見えてなかったみたいで。で、それで引っかかってしまった。あの瞬間は『やばい、避けないと!』っていう感じでした。避けなかったら、僕は14号車に突っ込んで、2台ともクラッシュしそうだったんで。僕も逃げた瞬間、左がもう“壁”だったんで、『これは逃げないと。逃げ方も一瞬で決めないと。14号車にクラッシュしなかったとしても、僕だけが大クラッシュしちゃうな』っていう感じでした。普段、エビスサーキットでドリフトの練習をしているんで、“卍切って(直線コースをドリフトしたまま蛇行して)”、逆に芝生をうまいこと利用してスピンして逃げれたんで、よかったかなっていう感じです。