マクラーレンが全チーム唯一のノーリタイア。フェラーリはサインツも奮闘/2024年F1チームメイト対決
2024年シーズンも多くのバトルとドラマがコース上で展開され、盛り上がったF1世界選手権。今回は参戦10チームのなかでシーズン中に繰り広げられたチームメイト同士の対決成績を振り返る。最終回である第3弾はレッドブル、フェラーリ、マクラーレンの3チームにフォーカスする。 【写真】コースサイドで話し合うマックス・フェルスタッペンとセルジオ・ペレス レッドブル:フェルスタッペンが王座防衛もペレスは苦難の一年に レッドブルは2024年ドライバーズタイトルを獲得した4年連続チャンピオンのマックス・フェルスタッペンと、僚友としてセルジオ・ペレスがドライバーとして一年を戦い抜いたが、フェルスタッペンの絶対的な活躍に対しペレスは不安定な成績を残してシーズンを終えた。それだけフェルスタッペンの強さが圧倒的だったという証ともいえるが、対照的にペレスのリタイア回数は5回と少なくはない。 2025年はペレスがレッドブルから離脱し、その空席にはリアム・ローソンの起用が発表されている。また、2025年はレッドブルのマシンづくりにおいて多大な功績を残してきたエイドリアン・ニューウェイが離脱するため、フェルスタッペンが5度目のタイトル防衛が達成できるか注目だ。 ●レッドブル 2024年チームメイト対決結果 比較項目:マックス・フェルスタッペン/セルジオ・ペレス 予選でチームメイトを上回った回数:23回/1回 決勝でチームメイトを上回った回数:23回/1回 ドライバーズランキング:1位/8位 優勝回数:9回/0回 表彰台獲得回数:14回/5回 獲得ポイント:437点/152点 入賞圏内フィニッシュ:23回/16回 ポールポジション:8回/0回 リタイア回数:1回/5回 フェラーリ:母国初優勝で弾みをつけたルクレール。負けじと追いかけるサインツ 2024年のフェラーリは、チームとして5回も優勝するなど、シーズンをとおして好調を維持し続けたといえるだろう。そんななかシャルル・ルクレールは表彰台獲得回数13回、入賞圏内フィニッシュ21回、ポールポジション3回、優勝回数3回という、フェラーリの躍進に貢献したドライバーといえるだけの成績を残している。また、モナコGPでは史上ふたりめ、F1となってからは初となる“モナコ人ドライバーによるモナコGP優勝”を達成したことも忘れられない。 一方でカルロス・サインツも、そんなルクレールの活躍をただ見守ることはせず、シーズン中に2回の優勝を果たしただけでなく、入賞圏内フィニッシュも20回と手堅くポイントを持ち帰っていた。全体の成績を比較してみるとルクレールの勝ち、となるが、サインツも充分に優秀なF1ドライバーとしての成績を残したといえるだろう。 ●フェラーリ 2024年チームメイト対決結果 比較項目:シャルル・ルクレール/カルロス・サインツ 予選でチームメイトを上回った回数:14回/9回 決勝でチームメイトを上回った回数:14回/8回 ドライバーズランキング:3位/5位 優勝回数:3回/2回 表彰台獲得回数:13回/9回 獲得ポイント:356点/290点 入賞圏内フィニッシュ:21回/20回 ポールポジション:3回/1回 リタイア回数:1回/2回 マクラーレン:全チーム中、唯一の“両者ノーリタイア”。ノリスが躍進の原動力に そして、2024年F1コンストラクターズチャンピオンを獲得したのは、1998年以来の戴冠となったマクラーレンだ。オスカー・ピアストリ、ランド・ノリスの両名を擁して戦った一年だが、まず注目したいのがリタイア回数の項目だ。なんと、ピアストリ、ノリスともに一度もリタイアをしていなかったのだ。この“シーズンノーリタイア”は、2024年のF1に参戦した全10チームのなかで達成できたのはマクラーレンだけであり、それだけチーム全体で安定した成績を残したといえるだろう。 チームメイト比較をすると、ノリスがいずれの項目でも優秀なスコアを叩き出しており、ポールポジション8回、入賞圏内フィニッシュは23回、ドライバーズランキングは2位と、まさにマクラーレンのコンストラクターズチャンピオン獲得の原動力であったといえる。対するピアストリも入賞圏内フィニッシュ23回を達成し、ドライバーズランキングも4位で終えるなど、ノリスにも引けを取らない成績を残している。 ●マクラーレン 2024年チームメイト対決結果 比較項目:オスカー・ピアストリ/ランド・ノリス 予選でチームメイトを上回った回数:4回/20回 決勝でチームメイトを上回った回数:8回/16回 ドライバーズランキング:4位/2位 優勝回数:2回/4回 表彰台獲得回数:8回/13回 獲得ポイント:292点/374点 入賞圏内フィニッシュ:23回/23回 ポールポジション:0回/8回 リタイア回数:0回/0回 [オートスポーツweb 2024年12月31日]