2025年は”巳年”だから蛇のF1……大胆なノーズ先端カラーリングのジョーダン197
明けましておめでとうございます。皆様にとって本年が良い年でありますように。 さて、2025年の干支は”巳”、つまり蛇である。 【ギャラリー】巳年だからヘビのF1……ジョーダン197(全11枚) モータースポーツ界において蛇と言えば、コース上を横断する生物という印象がある。しかし今から20年以上前、蛇をモチーフとしたカラーリングをまとったマシンがあった。それが、ジョーダン197である。 ジョーダンは1991年にF1デビューしたチーム。同年のベルギーGPでは、ミハエル・シューマッハーがF1デビューし、センセーショナルな活躍を披露し、その後スターダムを駆け上っていく最初の一歩を記したというのは、多くの人がご存知のところであろう。 この1991年のジョーダンは、メインスポンサー”7up”の緑を全面に押し出したカラーリングだった。しかし翌年からは青メインとなり、1995年までは青の面積が変わるなどはしたものの、比較的似た印象のカラーリングが続いた。 そして1996年、タバコメーカーのベンソン&ヘッジスがメインスポンサーとなったことを受け、金色のカラーリングに大変貌。そしてその翌年となる1997年には、黄色メインのカラーリングとなり、これがチームにとって最終年となる2005年まで続いた。 つまり黄色いジョーダンの1年目が、この1997年ということになる。しかも黄色いだけではなく、ノーズ先端部分が蛇をモチーフにしたデザインとなり、あたかもジェット戦闘機のような趣となった。当時は、そのことが大いに注目された。 このジョーダン197は、プジョーV10エンジンを搭載。F1で2年目のジャンカルロ・フィジケラと、ルーキーのラルフ・シューマッハーというフィレッシュなコンビとなった。 シューマッハーはデビュー3戦目のアルゼンチンGPで3位表彰台を獲得。これが彼にとってのF1初入賞である。フィジケラも第7戦カナダGPで3位、第12戦ベルギーGPで2位と2度の表彰台を獲得。コンストラクターズランキングでは5位となった。 翌年ジョーダンは、無限ホンダV10エンジンを獲得。ノーズ先端のデザインも蛇ではなく、スズメバチに変更された。そしてフィジケラに変わってチャンピオン経験者のデイモン・ヒルが加わり、ベルギーGPでチームにとっての初優勝を達成することになる。 なおジョーダンは、前述の通り2005年をもってチームを売却。その後ミッドランド→スパイカー→フォースインディア→レーシングポイントと名を変え、今はアストンマーティンF1として存続している。
田中健一