音楽から離れようとした、でも自分から近づいていた――BABYMETALが振り返るライブ活動封印の日々
「ずっと着ていたSU-METALという鎧を一回脱いだみたいな感覚でした。日常のルーティンの一つがなくなって、最初はこの先どうやって生きていけばいいんだろうみたいな感覚があったんです。でも、“世を忍ぶ仮の姿”の自分として普通に生活をしていても、心のどこかにSU-METALはいて。その感覚はすごく不思議な感覚でした」(SU-METAL) 「一度離れて気持ちをリセットして、その後にどうするか考えたいと思ってたんですけれど、離れたことで本当にBABYMETALというチームが大好きなんだと改めて気づいた。そのことは自分の中では大きいですね」(MOAMETAL)
BABYMETALの過去のライブ映像を見返したり、CDを聴き返したりすることもあった。 「ツアーが始まったらひとつひとつの公演をちゃんとやらなきゃ、いろんな音楽を聴いて勉強しなきゃって、追われているような感じもあったんですけれど、離れてみたら、そういうのも一切なくなった。それでもやっぱり自分はBABYMETALになりたいんだって思いました。やってる時は忙しいな、大変だなって思ってたけれど、曲を聴いて、やっぱりBABYMETALの音楽が好きなんだなって」(SU-METAL) 「それまでは次のライブをもっと良くするためにという気持ちで、自分のあら探しをしたり、身を削るような思いでライブ映像を観ることが多かったんです。そんなふうに観ていた映像でさえも、封印期間中は恋しくなっちゃったんですよね」(MOAMETAL)
2人になっても続けなくてはと使命感に駆られていた
2010年の結成から10周年を迎えた後に活動に一区切りをつけるということは、前々から決まっていたことだった。 2016年、BABYMETALは2日間合計で約11万人を動員した東京ドームのワンマンライブを成功させた。8カ国22公演に及んだワールドツアーの最終公演を終え、グループは「10年は走り切りたい」と、次のゴールを見据えていた。 そんな最中、2018年に、グループの結成メンバーだったYUIMETALが脱退。3人組から2人組の体制に変わり、ライブはアベンジャーズ(サポートメンバー)を迎えて行われるようになった。その時期にはグループの活動のあり方を何度も話し合ったという。