音楽から離れようとした、でも自分から近づいていた――BABYMETALが振り返るライブ活動封印の日々
「なんとしてもやり続けなきゃいけないという、使命感みたいなものに駆られてた感じはありました」(SU-METAL) 「そのまま突っ走ったら反対の意見も絶対多いだろうと思ったし、その圧に耐え切れなかったかもしれない。でもSU-METALがめちゃめちゃ強い意志を持ってたし、私はBABYMETALをどうしたって走らせたい、なくしたくないっていう気持ちが強かったんで、その気持ちにかなり引っ張ってもらったと思います」(MOAMETAL) 2020年には新型コロナウイルス感染拡大を受け、予定されていたアジアツアーとヨーロッパツアーが開催中止となった。コロナ禍でライブ活動が制限を受ける中、2021年には日本武道館で10公演のワンマンライブを開催した。その時にも葛藤はあったという。
「武道館公演を開催する前にはすごく悩みました。この時期に大人数が集まるライブをやっていいのかとか、声出しもできないし、騒げないし、BABYMETALのライブとして楽しんでもらえるのかっていう不安もあって。でも、前から決めていた目標だったので、絶対やり遂げなきゃっていう気持ちでした」(MOAMETAL) 「武道館のライブを終えた時は、私たちにとってはある種、ゴールテープを切ったみたいな感じで。その瞬間は今後のことも具体的に考えていなかったです」(SU-METAL)
同世代のバンドに刺激を受けた
ライブ活動を封印している間、2人はどんなふうに過ごしていたのか。 SU-METALは、「喉のことも気にしなくていいから、8時間とか10時間とか一人でずっと歌ったりしてました。やっぱり歌いたかったんだと思います」と言う。 MOAMETALは「SU-METALと一緒にライブを観にいくことも何度かあったんですけど、その中で私がハマったのはマネスキンというロックバンドでした」と言う。マネスキンは2016年にイタリアで結成された4人組ロックバンド。2022年には初来日公演も実現した。 「年齢を調べてみたら、ボーカルのダミアーノだけ私と同い年で、あとはみんな自分より年下。そう考えたら、今の若い人たちってすごいなと思って(笑)。マネスキンは社会情勢とかいろんなことを歌詞にして歌っていて、きっと批判を受けたりしていると思うんですけど、それに負けずにいろんな賞を取ったり、いろんなところでライブしたりしていて、負けてらんないなって思ったんです。だからライブの封印期間中にはマネスキンにすごくパワーをもらっていた気がします」(MOAMETAL) ステージから離れていても、音楽から心が離れることはなかった。 「本当は音楽から一回離れようと思ってたんですけれど、気づいたら自分から近づいてました。切り離そうとしても切り離せないんだなって思いました」(MOAMETAL) 「私も一度は意図的に音楽から離れたんですけれど、ファンとして戻ってきちゃったという感じ。普通に音楽が好きだし、音楽が楽しいなっていう、純粋な気持ちで過ごしてました」(SU-METAL)