音楽から離れようとした、でも自分から近づいていた――BABYMETALが振り返るライブ活動封印の日々
ライブを思い浮かべて歌詞を書いた
3月には初のコンセプトアルバム『THE OTHER ONE』がリリースされる。収録曲「Divine Attack - 神撃 -」はSU-METALが初めて作詞を手掛けた。 「もともとこの曲のデモを聴いた時に私の大好きな『Road of Resistance』みたいな曲だなと思って。それで『この曲は私が書きたいです』って言って、書かせてもらったんです」(SU-METAL) 歌詞には「共に誓い 共に叫び ここから旅を始めよう」という一節がある。グループの再始動を前にした思いが、そのまま言葉になった。 「自分はこれまでBABYMETALっていうチームを先頭で引っ張ってきたポジションにいると思うんですけれど、それを一番感じるのはライブで歌っている時なんですね。自分がその時にお客さんに何かを伝えるとしたら、どういう言葉を伝えたいだろうと思って。だから過去のライブや、その時のお客さんの顔や、いろんなことを思い浮かべながら書きました」(SU-METAL) 「私にとっても、アルバムの中で一番思いが乗る曲ですね。同じメンバーが歌詞を書いた曲なので、踊っていてもSU-METALが考えた歌詞に奮い立たせられるし、パワーがみなぎってくる。それも初めての感覚でした」(MOAMETAL)
結成時12歳と10歳だった2人が20代を迎えて
2010年にBABYMETALが結成されたとき、SU-METALは12歳、MOAMETALは10歳。当時はヘヴィメタルがなんなのかもまったく知らない少女だった。可憐な女の子が激しいサウンドの上で歌って踊るという斬新なコンセプトが注目を集め、人気を獲得していく一方で、10代のほとんどの期間を費やしたワールドツアーのハードなスケジュールは、修羅場をくぐり抜けるような過酷な体験でもあった。 現在は20代になり、一度立ち止まったからこそ、自分の心のうちにある思いに気づくことができたと2人は言う。4月1日、2日には次のライブの開催が決まっている。その後にはスウェーデン出身のメタルバンド、サバトンのイギリス&ヨーロッパツアーにスペシャルゲストとして参加することも決定している。再び世界を席巻するための準備は万端なようだ。 「BABYMETALは10年の歴史があるグループではあるんですけど、今の気持ちとしては、結成したばかりの新人バンドぐらいの気分でいるんですよ。とにかく音楽が楽しいという純粋な気持ちを思い出した今だからこそ、これからはまた新たなBABYMETALを作っていく時期になるんじゃないかなと思います。またいろんな国に行ってBABYMETALのことを知ってもらいたいと思います」(SU-METAL) 「2023年は新しいBABYMETALの誕生になるので、これからの長い年月を考えても一番大事な分岐点になる1年だと思ってます。だからこそ立ち止まれないし、この1年はめちゃめちゃ突っ走るんで、今から気合を入れてます」(MOAMETAL)