音楽から離れようとした、でも自分から近づいていた――BABYMETALが振り返るライブ活動封印の日々
2021年10月からライブ活動を“封印”していたメタルダンスユニット・BABYMETALが、2023年1月に復活を果たした。海外にもその名をとどろかせてきたBABYMETALだが、10周年を迎えたことを機に、封印宣言から約1年3カ月にわたってライブ活動を休止。その間、メンバーのSU-METALとMOAMETALの胸中に渦巻いていたものとは。(取材・文:柴那典/撮影:宮脇進/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部)
休止中も、どこかにBABYMETALとしての自分がいた
今年1月、BABYMETALは幕張メッセで単独公演「BABYMETAL RETURNS - THE OTHER ONE -」を行った。動員は2日で約3万人。イベント開催制限の緩和を受けて声出しが解禁された会場では、大きな歓声が沸き起こり、コール・アンド・レスポンスや観客の大合唱が巻き起こっていた。コロナ禍では久しく見られなかったライブの熱狂を、メンバーも肌身で感じていた。 「お客さんの声が上がると私のテンションも上がって、相乗効果で会場のボルテージが上がっていく。これがBABYMETALのライブなんだ、ようやく取り戻したんだって実感しました」(SU-METAL) 「『Road of Resistance』という曲の間奏にお客さんも一緒に歌うところがあるんですけれど、みんなが歌ってくれる声を聴いた瞬間に、久しぶりに鳥肌が立ちました」(MOAMETAL)
約1年9カ月ぶりに行われたライブは、グループの復活と再始動を告げる場でもあった。BABYMETALは2021年4月に行われた武道館公演を最後に、同年10月にライブ活動の“封印”を発表していた。2013年のメジャーデビューから国内外の大型フェスにたびたび出演し、メタリカなど大物バンドとの共演や度重なるワールドツアーを経て世界中にファンを広げ、数々の偉業を成し遂げてきたBABYMETALにとっては、初めて歩みを止めた期間だった。 ライブ活動封印の間、2人はどんな思いを抱えていたのだろうか。