著名人からのラブコールが絶えないラグジュアリーレザーグッズブランド「Strathberry」、本拠地エディンバラでその魅力を解き明かす
当時は小規模なビジネスだったスペインの工房も、「Strathberry」の名が世に知られていくとともに大きく発展を遂げた。 ガイは、「ロックバンドのミュージシャンのような、強面の男性の職人の手によって、洗練された美しいバッグが作られるのを目の当たりにしました。技術と伝統を保護、継承する目的においても、スコットランド発の世界的なレザーグッズブランドを創設することは素晴らしいアイディアだと思えたのです」と話した。
リーアンの祖母はクチュリエールだったが、2人はデザインやファッションの勉強をしたわけではない。 「現代においては、必ずしも修士号が必要というわけではないと思います。ファッションだけでなく、音楽や建築、芸術といったクリエイティブな分野をボーダーレスに捉えるデザイナーが多く活躍していますよね。 私達も同じように、さまざまな要素からインスピレーションを得て、デザインに向き合っています」というガイの言葉には説得力がある。独学だからこそ自由な発想が生まれ、創造性が育まれていったことが伺える。
2人でスタートした「Strathberry」は着実に成長を続け、現在はエディンバラの中心地であり歴史的建築物が立ち並ぶエリアに位置する、ジョージアン様式のタウンハウスにオフィスとショールームを構えている。
ここのアトリエではデザインチームとガイ&リーアンが、プロトタイプのバッグを制作するほか、2020年にローンチしたスコットランド国境で手作りされるカシミアを使用したウエアライン、昨年ローンチしたジュエリーラインから、ウォレットやキーホルダーといったスモールレザーグッズのすべてが創作される。
その過程は、ブランド創設当初から変わらず、紙を使った模型作りから始まる。
ガイ&リーアンはクリエイティビティとビジネス両方を指揮しており、家族同然であるチームスタッフとともに試行錯誤を重ねながら、バッグのフォルムとハンドルのサイズ、バッグの深さ、実用性とデザイン性のバランスを考慮してファーストステップを終える。
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