今日プロ野球が異例の厳戒キャンプイン…里崎智也氏が分析する「巨人分散キャンプの狙い」
いよいよ今日1日から12球団のプロ野球キャンプがスタートする。1軍は沖縄で8球団、宮崎で4球団が行うが、新型コロナの感染拡大の影響を受けて全球団が史上初の無観客キャンプとなる。異例のキャンプの見所をYouTubeが評判の元千葉ロッテの評論家、里崎智也氏に聞いた。
巨人は分散キャンプでリスク管理
――恒例のキャンプの見所。今年はいつもと違うよね。 「今年のキャンプの最重要課題は、鍛えるや、調整ではなく、どのチームも無事に終えることだと思うんですよ。集団生活というキャンプの性質上、一人に陽性が出るとクラスターに発展する危険性があります。たとえば何人以上の感染、あるいは濃厚接触者に指定され、どういう状況になれば中断になるのかのラインは示されておらず、その都度、専門家チームとの相談になるそうですが、キャンプが中断になる危険性もあります。そうなってしまえば開幕に向けてのチームの調整はおじゃんですから。一人の感染者も出さずに終えたら100点ですよ」 ――そのために必要なことは? 「巨人はS班が東京ドームでスタートするなど4か所に分散させていますが、これは最悪のケースを想定したリスクマネジメントだ思うんですよね。海外のサッカーチームは、航空機移動する際、墜落に備えて分散移動しますが、それと同じ。最善の準備をするのであれば、ロッテのように1軍、2軍が同じキャンプ地、同じ宿舎というのは危険ですよね。1、2軍をさらに、それぞれ2つに分けるくらいに分散しておく必要がありますね。リスクマネジメントのできているチームはどれだけあるのか。ある意味、スタートの時点で準備の差は出ているんじゃないですか」 ――里崎さんのキャンプ視察の原則は「たられば」の確認だったよね? 「基本新戦力のチェックですが、今年はそれすら難しい。新外国人選手は入国制限がかかり来日すらできていませんからね。阪神、ヤクルト、ロッテなんかは、新外国人の成否が成績に直結します。首脳陣は不安でしょう」 ――まずはセ・リーグから。菅野智之が残留。オフに唯一FA補強に動いた巨人が本命だと思うが、対抗馬としてはどこに注目? 「YouTubeで崖っぷちの選手シリーズ、横一線争いシリーズを展開しているんですが、固まっているポジションが多いのは巨人なんですよね。菅野が抜けていれば、梶谷、井納の補強では追いつかないと思っていましたが、残留で本命になったことは間違いない。対抗は新外国人が機能すれば阪神。投手力の安定している中日です。中日は昨年の前半は後ろを固めることができずバタバタしましたが、それがなければ阪神より上に行っていますよ。後半は祖父江、福、マルティネスの勝利パターンを確立しました。今季はそこからスタートできますからね」