今日プロ野球が異例の厳戒キャンプイン…里崎智也氏が分析する「巨人分散キャンプの狙い」
――横浜DeNAは? 「キャンプのチェックポイントにもなりますが、左肩のクリーニング手術をした今永がどこから出てくるのか。昨年1年休んだ東もそうですね。先発投手陣の状況を考えると評価を下げざるを得ません。井納が抜けた影響は、そう大きくないと思いますが、梶谷の穴をどう埋めるか。神里あたりが候補でしょうが、戦力ダウンは否めません」 ――広島、ヤクルトは厳しい。 「広島は投手力の整備がどこまでできるかですよね。大瀬良も故障明け。最後まで後ろが安定しませんでした。ヤクルトは2024年に強くなります(笑)。今年も我慢のシーズンでしょう」 ――パ・リーグは、8年ぶりに田中将大が帰ってきた楽天キャンプが盛り上がりそう。 「ソフトバンクの対抗馬としてマー君の加わった楽天が急浮上したことは間違いありません。24勝0敗の再現はさすがに難しいでしょうが、15勝はするでしょう。石井監督がどう起用するかわかりませんが中5日でも回せるんじゃないですか。ボールやマウンドなどの適応が問題視されていますが、日本のボールはメジャーに比べてはるかに質がいいですから。コントロールがいいのが、彼の武器。どんなボールでもカウントをとれるし勝負もできる。しかも、全盛期での凱旋です。勝てない要素は見当たりません」 ――では押し出されてBクラスに落ちるのは? 「ロッテです(笑)。西武は、昨年秋山がいなくなったことが響いて山賊打線が低迷しましたが、今年は立て直すでしょう。そうなると消去法で、ロッテがBクラスということになってしまいます。課題は打線。昨年、経験を積んだ安田、藤原らの若手の成長度と、新外国人の出来次第になります。佐々木は、報道によると今の段階で、まだ立ち投げ、つまりキャッチボールに毛が生えたような状況では戦力としては計算ができないでしょう」 ――ロッテは、その打線強化のために“最後の3冠王“の元ソフトバンクの松中信彦氏を臨時コーチに招く。阪神もエラー撲滅のために巨人OBの川相昌弘氏を臨時コーチに。巨人は桑田真澄氏が組閣に加わり指導者側の動きもキャンプの見所では? 「指導は1年を通じてやらないと意味はないです。それと重要なのは臨時コーチが教えるものを通年コーチが共有することでしょう。選手以上に指導者の理解が重要になってきます。臨時コーチの教えたことができているのかできていないのかを確認する人がいないと一過性のもので終わってしまいます」 ――その点では桑田氏は正式コーチ。 「でも、どこのポジションで、どういう選手を教えるのかがよくわかりませんよね。キャンプはS班の東京ドームスタートのようですが、シーズン中も、1軍にいてベンチに入るのか、それとも育成を手掛けるのか。それによって今季の巨人の戦いへの影響力は違ってきます」