米メディアはマー君の楽天復帰をどう伝えたか…「ヤ軍は過去最高投手の一人を失う」「将来MLB復帰の可能性も」
楽天は28日、ヤンキースをFAになっていた田中将大(32)の獲得を発表した。背番号は「18」で2年契約。年俸は日本球界最高で単年推定9億円と見られる。マー君の楽天復帰は2013年に驚異の24勝無敗の成績を残し球団初のリーグ優勝、日本一を手にして以来8年ぶり。米メディアはマー君の古巣復帰をどう伝えたのか。 ニューヨークデイリーニューズ紙は「ヤンキースの過去7シーズンで最も頼りになる選手の1人だった田中が日本の元所属チームに復帰する。予想されていた動きが木曜日に発表された」と伝えた。 記事は「田中は最初の6年の契約期間で163試合に先発し7シーズンでチームに多大な貢献を果たした選手だった。彼は2015年から2019年までを通じてポストシーズンの8度の先発では、46イニングで10点を許すだけの輝かしい結果を残した。だが、昨年10月のインディアンス、レイズとの2度のプレーオフの先発では打ち込まれるなど苦戦していた」とヤンキースでの活躍を紹介。その上で、「このオフ、彼に本気でオファーを提示したと噂されるチームがほとんどなかったことで生じた田中の退団は、ヤンキースの先発ローテーションを昨年と似たような状況に向かわせる。ゲリット・コールはいるが、他の多くの先発投手は機能するか、もしくは大失敗に終わるか」と、田中を失った、今季のヤンキースの先発陣が安定性を欠くことを嘆いた。 ニューヨークのスポーツテレビ局SNYは、マー君の退団に際して「田中は過去50年のヤンキースのポストシーズン最高投手のどの位置にあるか」との特集記事を掲載。「田中が2021年に楽天イーグルスでプレーすることが正式に決まり、ヤンキースはポストシーズンでの最高の投手の一人を失うことになるだろう。最高の一人というよりも歴代最高の一人だ」と記し、田中のポストシーズンの活躍を絶賛し別れを惜しんだ。過去50年のヤンキースのポストシーズンでの歴代のベストの先発投手として、アンディ・ペティット、オーランド・ヘルナンデス、マイク・ムシーナ、ロジャー・クレメンス、デビッド・ウェルズ、ロン・ギドリー、デビッド・コーンの7人の名前を挙げて田中と比較。「スプリッターとスライダーの組み合わせで2度オールスターに出場した田中は、ポストシーズンで、すべてのチームが極度のプレッシャーにさらされる中で至高の投手だった」と称賛している。 ニューヨークポスト紙は、「田中が正式に元ヤンキースの選手になった」と書き出し、田中の楽天復帰を伝えた。 記事は、「このオフにヤンキースと32歳の田中がどのような関係にあったかを考えると、この結果に驚きはない」と楽天復帰を捉え、「ヤンキースは田中(の再契約)へ興味を示し続けてきたが、彼らの優先事項はDJルメイヒューとの再契約で、この内野手を6年9000万ドル(約94億円)で連れ戻した。そして次にローテーション投手の補強へ向かった時にヤンキースは贅沢税を払わずに済む(総年俸)2億1000万ドル(約219億円)以下に留めるため、田中が求めるよりも少ない金額で、大きな故障を抱えるものの才能のある右腕投手2人を獲得することを選んだ」と、退団の経緯を分析した。 才能ある右腕2人とは、レンジャーズからFAで獲得したサイヤング賞2度受賞のコーリー・クルーバーと、パイレーツとの間で4対1トレードを行い獲得したジェイムソン・タイヨンの2人だ。タイヨンはトミー・ジョン手術の影響で昨年は登板していない。