アメリカでは住宅を購入する独身女性の割合が増加、独身男性を上回る ── 決断の理由を経験者に聞いた(海外)
婚前契約がなければ、共同所有もないと考える女性も
ニューヨーク在住のジェシカ・チェストラーさん(33)も、コブレイロさんと同じような考え方を持っている。 2022年、不動産会社ダグラス・エリマン(Douglas Elliman)のエージェントで、ビジネスオーナーでもあるチェストラーさんはウィリアムズバーグにある、寝室が3つあるマンションを325万ドル(約5億1000万円)で購入した。 家を持つことは自分の将来への投資であり、自分が"この人"と心を決めていない相手と一緒にそのリスクを背負いたくはないとチェストラーさんはBusiness Insiderに語った。 「誰かと一緒に家を購入する場合… 特に結婚していない場合は、考慮すべきことが明らかに多くなります」とチェストラーさんは言う。 「常に不安があります。別れたらどうなるのか、どうやって資産を分けるのか… 」 部屋のリノベーションもしたチェストラーさんは、ひとりで住宅を所有する最大のメリットは自分自身を頼りに、自分らしく生きる自由が得られることだと話している。 「わたしは自分のことだけ考えれば良かったんです」 「他の人の意見を気にする必要はありませんでした。 わたしはこのマンションが気に入っていたし、自分のお金のことも分かっていたし、うまくやっていける自信もありました。わたしにとって、その快適さがとても重要だったんです」
"王子様"はいらない
住宅を購入する独身女性の中には、交際相手がいても"指輪"を待たずに"住宅"で資産形成を始める人もいる。 不動産会社のエージェントであるエリエル・フォン・シェートさん(30)は、2月にアリゾナ州メサにある広さ2280平方フィート(約210平方メートル)のタウンハウスを連帯保証人なしで36万5000ドル(約5720万円)で購入した。 フォン・シェートさんには長く関係の続いている交際相手がいるものの、経済的な将来は自分でコントロールしたいと考えていた。 「多くの女性がわたしと同じように感じているのだと思います。自分の目標を達成するために、どうして誰かが助けてくれるのを待たなければならないのか、と」とフォン・シェートさんはBusiness Insiderに語った。 "自分ひとりで家を買う"というフォン・シェートさんの決断は、長い目で見れば報われるかもしれない。フォン・シェートさんが暮らしている建物の別の部屋は41万ドル(約6420万円)で売りに出されている。もしその価格で売れれば、フォン・シェートさんの家は1年で約3万5000ドル(約548万円)値上がりしたことになる。 「数年後にここを売却するかもしれないし、別の物件を買ってここを賃貸に出すかもしれません」とフォン・シェートさんは話した。 「わたしの長期的な目標は不動産ポートフォリオを構築し、残余利益を得ることで、自分は正しい道を歩んでいると感じています」 今のところ、フォン・シェートさんと交際相手はルームメイトのように暮らしていて、光熱費や住宅ローンといった生活にかかる費用を折半している。 これは互いにとってメリットのある状況だという。 「彼は特に気にしていないと思います。もう家主からあれはいい、これはダメと指図されることもありませんから」
Alcynna Lloyd